第26話
マクドナルドで食べ終わってから、予備校に行きそれぞれ予備校の授業を聞く。高校の授業はほとんど聞かない華怜も予備校の授業はきちんと聞いている。それほどに面白い。
授業を聞いている間に雨が降り始めたようだ。3人とも折り畳み傘はそれぞれ持っていた。予備校が終わると1階のロビーで3人は合流し傘をさして、帰り道となった。
「バスに乗ろうか?青空」
「あ、うん、そうだね、雨だし」
「そうしよう、お兄ちゃん」
バス停まで歩く間にも3人の足元は濡れていく。
バス停に着くと丁度バスが止まっていた。
「ダッシュだ、華怜行ってこい」
「え?わたし?」
「行け!」
「もう、わかったよ」
華怜がダッシュしてバスに向かう、バスが出発するのを少し待ってもらうためにステップのところで、後ろを振り返る。
少しして、湊と青空がバスに乗り込み、それと同時にバスのドアも閉まる。
バスはこの時間にしては、空いていた。座れるほどではないが、乗客の圧力を感じるほど混んでもいなかった。
バスは明治通りを滝野川方面に順調に進んで行く。この時間でもビルやマンション、街路灯の灯りなどでバス通りは明るい。夜の10時を過ぎても働いている人もいるのかと、湊は、ぼーっとバスの外を眺めていた。
最寄りのバス停に着き、3人はバスから降りる。
「けっこう振っているね」
「だな、青空は大丈夫か?」
「もう、大丈夫だよ、心配してくれるのはありがたいけど、もう平気」
「ああ、大丈夫だな」
5分歩いて家に着く。とりあえず着替えということで、青空と湊はそれぞれの部屋に行った。
湊も部屋に着くとまずはタオルで頭を拭いて、いつものようにTシャツと短パンに着替えた。
少しすると、華怜が入ってきた。ピンク色のキャミソール姿だ。髪の毛も後ろで縛っている。湊のベッドにダイブしてスマホをいじり始めた。
「湊、昨日のノート見せて」そう言って青いキャミソール姿の青空も入ってきた。
「ああ、ちょっと待って」そう言ってバッグからノートを取り出して青空に渡す。
「ありがとう、湊、めっちゃ助かります」
「これくらいなら、いつでもどうぞ、姫」




