第25話
「うん、私はそれでいいかな、お姉ちゃんは?」
「あ、うん、私もそれでいいよ」
「じゃあ、今日を乗り越えたら明日はだらだらできる!まあテスト勉強はするけど」
「だね、湊」
「明日はお姉ちゃんとなにかご飯作ろうか?」
「そうだね、華怜、たまには作らなきゃね」
「おお、期待しているぞ、二人とも」
「任せて、お兄ちゃん」
昼食の時間も終わり、また3人は教室に戻っていく。
午後の3時間、授業を集中して聴いている二人にはあっという間に感じられた。終業のチャイムとともに下駄箱に行き、華怜と合流する。
予備校まで、いつものように3人で並んで歩く。
「青空はご飯食べられる?」
「うん、なんでも大丈夫」
「なにが食べたい?」
「うーん、マクドナルドでいいかな?」
「そっか、それなら予備校の近くにあるな」
「うん、華怜もそれでいい?」
「いいよ、私もマクドナルド好き!」
3人は池袋駅東口にあるマクドナルドへ入って行った。
青空はかるびマックのセットを、華怜はグランベーコンチーズのセットを、湊は倍ビックマックのセットを頼んだ。
商品が出てくるまで、華怜が席を取りに2階へ上がって行った。
湊と青空がトレイを持って2階へ上がると窓際の席に華怜が座っていた。
「お待たせ」そう言ってグランベーコンチーズセットを華怜の前に置く。
今日は青空と湊が隣り合って座って、その正面に華怜が座った。
青空と華怜はポテトを頼んだが、湊はナゲットを頼んだので、女子二人はナゲットのソースにポテトをつけて食べている。
「今日は終わる時間同じだよね」
「ああ、そうだな、華怜、9時40分には終わりか」
「うん、今日もあと3時間だねー」
「なんかさ、俺たちみたいに、きちんと高校に行けて、マクドナルドで食べられて、予備校にまで行けて、家族と恋人に囲まれて、こんな生活ってさ、多分贅沢なことなんだろうな、ホントは」




