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2pair=4pair?  作者: 神名 信
17/132

第17話

 7月9日の木曜日は傘をささないといけないくらいには、雨が降っていた。

 3人は傘をさしながら、高校まで歩く。

 傘をさしても、華怜かれんの右手はみなとの左手に絡みついていた。

 「そうそう、昨日の夜、海汰うた兄ちゃんには言っておいたから、日曜日は華怜と海汰兄ちゃん二人で遊びに行きなよ」

 「はーい、了解です、お兄ちゃんとお姉ちゃんは、二人きりでお兄ちゃんの部屋で、色んなことしようと思っているんでしょ?」

 「華怜がいない日曜日は珍しいからねえ、湊といちゃいちゃするかなあ」

 「あー、お姉ちゃんずるい、やっぱり4人で遊ぼうよ」

 「だーめ、たまにはおにいに甘えてきなさい」

 「んー、まあそうかぁ」

 いつものように、華怜が教室に入るのを見送ってから湊と青空そらは教室へ向かった。

 雨の校舎は少し憂鬱だ。授業をしている先生の声も心なしかこもっているように聞こえる。青空は珍しくぼーっと窓の外を見ていた。視界には湊の顔も入る。綺麗な横顔だなと思う。少し中性的な感じもある湊の顔。湊も視線に気づいたようだ、視線が絡まる。

 ・・・日曜日、二人っきりかあ、二人っきりって何か月ぶりかな?あ、でも私生理終わってないよね、多分。考えながら青空は赤い顔をする。

 その日の午前中青空はほとんど集中できなかった。帰ってから湊のノートを写してもらおうと、割り切っていた。


 午前中の授業が終わると、また3人で食堂に合流した。

 「湊、今日のノート写させて、夜」

 「ああ、なんか珍しくぼーっとしていたな」

 「うん、なんかね」

 「今日はどこか寄って行く?真っすぐ帰る?」

 「今日は真っすぐ帰りたいな、いい?華怜」

 「はーい、お姉ちゃん」

 「大丈夫か?青空」

 「うーん、多分あれだから」

 「ああ、そっか」

 食事もあまり食べてたくないのか、残している。残ったお弁当は湊が食べてあげた。

 

 午後の授業も青空はなかなか集中できないようで苦しんでいた。湊は何もできなくて歯がゆかったが、授業のノートはきちんと取りながら、なるべく青空の顔を見てあげることにした。

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