第14話
停留場からは5分ほどで家に着く。
真っ暗だねー、などと言いながら、夏の夜の風が少し気持ちよかった。
途中コンビニなどの灯りの誘惑にあいながらも、真っすぐに家に着いた。すでに10時半を回っていた。
とりあえず、ということで青空は柳瀬家のほうにバッグなどを置きにいった。湊と華怜もそれぞれの部屋に行って着替える。湊はTシャツに短パンといういつも通りの恰好だ。
さきに、青空から湊の部屋に入ってきた。今日は青のシルク風パジャマにセットのショートパンツだ。「おお、いつもながらかわいいな」と湊がおっさんのような感想を言っていると、華怜も入ってきた。青空と全く同じシルク風パジャマで色はピンクだった。
先にお風呂入ってくる、と言って湊はお風呂に行き、シャワーだけ浴びて、10分くらいで出てくる。
今日も、青空と華怜は一緒に入るらしく、また1時間コースかなと思いながら湊はスマホのゲームをいじっていた。
階段を上ってくる2人の足音で目が覚めた。どうやら、待ちながら眠ってしまっていたらしい。青空と華怜の風呂上がりの匂いが、湊にはかなり女性を意識させる。時間はちょうど12時だった。
「青空はどうする?帰るか?」
「うーん、どうしよう・・・」
「お姉ちゃんもお泊りしようよ」
「でも、やっぱり帰るよ、私」
「そっか、海汰兄ちゃんもそろそろ帰ってくるしな」
「うん・・・」
「送って行くよ」
「送りオオカミになったらだめだよ、お兄ちゃん」
「わーかってるって、華怜は寝てな」
「華怜はお兄ちゃんの帰りを待っています」
「じゃあ、行こうか、青空」
「華怜、おやすみ」
「お姉ちゃん、おやすみなさい」
柳瀬家まで送ると珍しく海汰が帰ってきているようだ。
湊と青空が海汰の部屋まで顔を出す。
「お二人さん、お帰り」
「海汰兄ちゃん、今日は早いんだね」
「ああ、ちょっとシフトの関係でな」
「おにいはバイトしすぎ、なにか買いたいものでもあるの?」




