第130話
「それでもすごいよ、日本史、私は7割ちょっとかな、取れていても」
「青空は英語のほうがいいんじゃないか?」
「うーん、多分英語のほうがいいと思う、8割くらいかなあ、そこまで行かなかったかな」
「英語は200点あるから、大きいよ」
「160点まで取れていたらいいのだけど」
「まあ、終わったことはいいとして、午後は小論文か」
「あー小論文私苦手」
「そうだよな、なんか、青空は苦手だよな」
「湊はこういうの得意だよね」
「得意というか、まあ、それなりかな」
「いいなあ、ほんとかっこいいよ、湊」
「そうか?成績返ってきたら青空のほうがいいこともあるだろ」
「うーん、今までないのよね、それが」
「とりあえず、少しなんか食べよう」
「あ、うん、コンビニ行こう」
湊と青空は近くのコンビニでサンドイッチとおにぎりを買って、近くの公園で食べた。午後の試験まで残りはあまりなかった。
教室に戻り、席に着く。
小論文の資料に目を通す。
なるほどと、改めて納得するようなところもあり読み込んでいた。
時間になり、試験担当官が来てまずは解答用紙が配られた。
解答用紙に名前を書く。すぐに問題用紙が配られ、試験が始まった。
地球環境に関する問題だった。
さらさらと問題用紙に解答を書いていく。小論文の配点や採点についてはあまり分からない。どこまで書いていいのか、ただ、読んでいる人が理解してくれるであろう言葉で書くことは気にかけている。
60分の試験時間ぎりぎりまで使って問題を解く。チャイムが鳴り試験が終わる。すぐに青空の方を見る。青空は荷物を片づけていた。
予備校を出ると、2人で少し池袋を歩こうということになった。あまり行かないようなゲームセンターに行く。
「ねえ、華怜のためにあれ取ってあげようよ」青空がクレーンゲームコーナーで立ち止まる。
「わ、あれかあ・・・うまく取れるかな」
猫のぬいぐるみ目がけてクレーンが動く。
クレーンは猫に引っかかるが、惜しいところでゲットできない。