第127話
「お兄ちゃんは夢想家なのかな?」
「そうなのかもしれないな」
「いつも、前向きだよね」
「2人に支えられているからな、俺1人だけだったら違っていたと思う」
「そうかな?お兄ちゃんは多分どんな状況でも頑張れる人だよ」
「買いかぶりすぎだよ、ただ、そうだな、どこか、力が湧いてくるような感じはあるかな」
「ねえ、ぎゅってして」
「ああ」華怜の体をぎゅっと抱きしめる。湊の部屋、セミダブルのベッドには2人しかいない。
「お兄ちゃん、大好きだよ」
「華怜のこと、好きだ」
「ねえ、お兄ちゃんは私に何をしてもいいんだよ?」
「ああ、そうなんだよな」華怜の頭をなでる。
「私のこと、ちっちゃい子どもだと思っている?」
「そんなことないぞ、ちゃんと大きくなるところはなっている」
「そうなんだよ、お兄ちゃんを誘惑したくって、大きくなったの」
「そうなのか、でも、それは俺が受け取るわけにはいかないかな」
「もう、ねえ、キスして」
「ああ、」
ベッドの上で2人の体が重なる。
「眠くなってきちゃったよ、お兄ちゃん」
「ああ、そろそろ寝よう」
「寝るまで、起きていて」
「そうだな、大丈夫」
「おやすみなさい、お兄ちゃん」
「おやすみ」華怜の髪の毛を優しくなでる。華怜が寝た後、少しして湊も眠りに落ちた。
7月25日土曜日、この日は曇りだった。
「華怜、起きろ」
「あ、おはよう、お兄ちゃん」
「おはよ」何も言われなくてもキスをする。
「わ、くちびるを奪われたよ」
「奪ってやった」
「もうお嫁に行けない、お兄ちゃん責任取って」