第126話
「色々は華怜にはできないかなあ」
「そうなの?私魅力ないかな」
「いや、そんなことはないけども」
「じゃあ、どんなことなの?」
「そうだなあ、華怜のことは好きだし、体とかもすごく魅力的だとは思うよ」
「うんうん」
「でもさ、俺にとっては、守らなきゃいけない人なんだよ、他の誰よりも」
「そうなのかあ、嬉しいけど、なんかなあ」
「俺だって、華怜の体を抱きしめていたら、えっちな気持になったりするけどさ、でも、そういうのは、華怜にとって大事な人ができた時のためにとっておくべきだよ」
「お兄ちゃんより大事な人なんて永遠にできないよ」
「そっか、それは光栄だな」
「ね、お兄ちゃん、またお話しして、なんでもいいから」
「そうだな、なんの話がいいかな」
人が宇宙で暮らすようになって、何千年も経って。
地球より、もっと豊かな惑星も見つかって、そこが中心になってたくさんの文化が生まれるようになって。
人と人工知能やロボットの結婚も合法化されて。人の遺伝子はセックスだけじゃなくて、色々な方法で保存されるようになって。
子どもの形も変わって。
人と人の交配によってできる子どもの方が少なくなってしまったりして。
俺たちの暮らしている21世紀からは想像できないような世界になって。
それでも、そこには愛があると、俺は思うな。
愛の対象が人でなくなっても、そこにはやっぱり愛おしいって思う気持ちがあると思う。
「どうかな?こんな話」
「いいね、お兄ちゃん、宇宙かあ」
「そうだ、宇宙だ」
「ねえ、私のこと好き?」
「ああ、好きだ」
「キスして」
「ああ」華怜のくちびるにキスをする。
「私たちの子孫は宇宙にちゃんといけるの?」
「いけるさ、大丈夫、人はいける・・・」