第124話
湊が部屋に戻ると交代に青空と華怜がお風呂に入る。湊は一人になったので、日本史の勉強をしていく。一人でいる部屋は少し広く感じる。
苦手な漢字が書けるか、少しノートに書いてみる。大丈夫なようだ。日本史は8割取れそうだった。英語が7割強だとして、残りは小論文だ。小論文は勉強しないでもある程度点数が取れる自信があった。400点満点の模試で300点をとりあえずの目標にする。
勉強をしていると、青空と華怜が入ってきた。2人ともパジャマ姿だった。お風呂上がりのむわっとした色気が感じられる。
「ただいま、湊」
「ただいまだよ、お兄ちゃん」
「おかえり」
「湊、日本史はだいぶ進んでいるようね」
「ああ、順調かな」
「私は日本史よりも英語のほうが得点源かなあ」
「そっちのほうが上限高いんじゃないか」
「でも、湊はどっちも得意でしょ」
「どうかな、英語のほうはどれくらい取れるか・・・」
「模試はいつも湊のほうが上なんだよね、ほんの少しなんだけど」
「ああ、まあ、微妙にかな」
「今回は私が上に行きたいなあ」
「お姉ちゃん、今どきは女性上位だよ」
「こらこら、なんかいやらしいぞ、華怜」
「そんなことないよお、お兄ちゃん」
「まあ、色々言ってないでやろうか、青空は何時までできるんだ?」
「今日も12時までやって帰るよ」
「了解、あと3時間弱だな、頑張ろう」
3人は勉強を再開する。
湊は青空の方を見たくなる誘惑に打ち勝って、勉強に集中していた。なんと言っても、模試は明日に迫っている。
日本史の勉強に集中できていた。青空は相変わらず、いいペースで勉強しているようだ。華怜は一通りテキストが終わったのか、数学の参考書を読み始めた。暗算で問題を解くのが趣味といえば趣味らしい。
集中していると時間も早く感じる。すぐに12時になった。
「私、そろそろ帰るね」
「ああ、送っていくよ」
「あ、ありがとう、湊」
「お兄ちゃん、お姉ちゃん行ってらっしゃい」