第123話
それでも湊は集中できていた。5時までの3時間半でやろうとしていた範囲はとりあえず終わらせた。
青空もだいぶ調子よく終わったようだ。5時になったのでひとまず休憩を入れる。
「青空はけっこう順調みたいだな」
「かなー?湊も終わらせたみたいじゃん」
「うん、とりあえず英語は終わりかな」
「今回はA判定もらいたいよね、湊」
「ああ、そうだよな、大丈夫な気もするけど」
「お兄ちゃんとお姉ちゃんなら大丈夫だよ」
「ああ、まあそう言ってくれるのは嬉しいけど」
「大丈夫!英語で加点できればそこが配点高いんだから自然と伸びるでしょ」
「おお、華怜がまともな意見を言った」
「私はいつもまともだよ」
「そ、そうか」
「そうだよ」
「じゃあ、まともついでにアイスコーヒー作ってきて、3人分」
「全然次元が違うよ!でも、まあ私も飲みたかったから作ってくるね」
華怜が1階に降りて冷蔵庫からアイスコーヒーを取り出し、3人分作る。ミルクの量もそれぞれの好みに応じて変えている。
「戻ったよー」
「おお、華怜ありがとう」
「華怜、ありがとうね」
「いえいえ、どうぞ飲んでください」
グラスに入った氷が冷たくて美味しい。ついでにキッチンにあったポテチまで持ってきている。パーティー開けをしてみんなで食べる。
休憩が終わって、また勉強を再開する。8時までやろうということになった。
湊は日本史に取り掛かる。日本史のカードは60枚くらいだ。ただ、もう既に9割がたは終わっている。カードをペラペラとめくるがひっかかるところもない。
5枚に1か所くらい記憶が曖昧な所が出てくるので、それを丁寧につぶしていく。どうやら青空もこの時間は日本史をやっているらしく、日本史のテキストを見ている。
華怜は相変わらず膨大な量のテキストを読み込んでいる。初日よりもだいぶ読み込みスピードが上がっている。多分、もう仕上げの段階なのだろう。記憶したものを忘れることもない。勉強に限って言えばだが。
3人とも順調であった。
そのまま8時になりお風呂休憩をしようということになった。湊からシャワーを浴びにお風呂へ入る。15分くらいで終わり、部屋に戻る。




