第121話
華怜も部屋に入ってきた。
白系のブラウスに大き目のエンジ色のネクタイ、チェック柄のミニスカートといった格好だった。
「華怜、かわいいよ!」
「あ、ありがとうお姉ちゃん」
「ほんとに華怜はかわいいぞ、お人形さんみたいだ」
「そうかな?ありがとうお兄ちゃん」
「うちの姫は2人ともほんとうに美少女だなあ、俺は嬉しいぞ」
「お褒め頂き光栄です」
「大仰な言い方だなあ、青空」
「まあ、それはそれとして勉強しなきゃだよ、湊」
「ああ、そうだな、明日模試だからな、華怜もやるぞ」
「はーい、ちゃんと持ってきているよ」
「持ってきているというより、ここに置いてあるよね?俺のベッドは華怜の勉強部屋か?」
「まあ、そうとも言うよ!」
「言わないから」
「細かいことでケンカしてないで、始めるよ、湊、華怜」
「はーい」
テーブルについて勉強を始める湊と青空。華怜はいつも通りベッドに横になって勉強を始める。
冷蔵庫から2リットルの麦茶を持ってきたので、水分補給も大丈夫だ。
それぞれ、麦茶を飲みながら勉強をする。今日は華怜の胸元のガードが固いので華怜のほうを見ても面白くない。逆に青空の恰好がいやらしかった。
とりあえず、午後1時まで3時間やろうということになった。
湊はいつも通りカード学習を始める。
所々、マーカーや赤ペンなどを入れて、見やすくする。3時間あると思うと少しだけ色々できた。
日本史もやりたかったが、夕方以降に取っておいて、比較的範囲が潰せていない英語の勉強を進める。8割方は理解しているのだが、まだ理解が足りないところや、暗記が追いついていないところもある。
今朝もリスニングCDをかけていて、部屋にはそれが流れている。
華怜はテキストの爆読みを続けている。パラパラとめくっているだけのようにみえるが、機械のように暗記していく、華怜のすごいところは、丸暗記するだけではなく、内容まで理解してしまうところだ。
青空はテキストに書き込んだものを見直す作業をしている。




