第118話
勉強しながら、もしかして青空と俺の勉強順位に差ができているのは、この1時間が原因じゃないかと思う。ただ、深刻な問題ではなかった。
カードをひたすら覚える。華怜ほどじゃないが記憶力は悪くない。自分でまとめただけあって、覚えるときも覚えやすい。たまに、まとめ方が悪い部分が出てきて、消しゴムで消して書き直したりする。
湊が勉強に集中していると、青空と華怜が戻ってきた。二人ともキャミソール姿だ。青空が青、華怜がピンク色。2人に耐性がない男子だと、暴走しそうなほどの色気が漂ってきている。
ついつい胸元に目が行ってしまうが、2人とも湊に見られるのは慣れているので、恥ずかしがることもしない。
お肌のケアをしている2人を見ながら、いい光景だなと思った。
「青空は今日何時に帰るんだ?」
「あ、今日はおにいが泊まってくるみたいだから、私もここに泊まるよ」
「お姉ちゃん泊まって行くんだ!」
「青空が泊まってくれるのはすごい嬉しいな」
「そうだよねえ、お兄ちゃん、いつもはいつお兄ちゃんに襲われるか分からなくて、なかなか寝付けないんだよ」
「うそつけ、華怜からいつも寝ているじゃん」
「そうだったっけ?」
「そうだ」
「てへへ」
「かわいい笑い方をすればなんでも許されると思っていないか?」
「そんなことないよ、お兄ちゃん」
「じゃあ、俺は床に寝るスペースを作るからベッドはお姫様たちで使いなよ」
「悪いよ、湊、ベッドに3人で寝ようよ」
「そーだよ、お兄ちゃん、この前もそうしたし」
「あー、まあそれでいいか」
「もうね、今更お兄ちゃんが紳士的にしても、けだもの紳士だよ」
「おい、華怜、痛いところを突くな」
「まあ、そんなお兄ちゃんが好きだから、私もお姉ちゃんも大変なんだけど」
「でもね、華怜、多分湊は普通の男子より、ずっと理性的だと思うよ」
「まあ、それはそうなんだけどね」
「青空と華怜と一緒にいて、欲望に負けないのは多分日本には俺しかいないよ」
「そっかあ、欲望に負けてもいいんだよ、お兄ちゃん」
「おう、その時はお世話になります」
「うん、お世話しちゃうよ」




