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2pair=4pair?  作者: 神名 信
113/132

第113話

 「でもさ、お兄ちゃんは本当の本当は私を選ぶんじゃないのかな?」

 「うーん、どうなんだろうな、今はよくわからないな」華怜の髪の毛をなでる。

 「ねえ、ぎゅうってして」

 「ああ、分かった」華怜の体をぎゅっと抱きしめてあげる。

 「私、生まれてきて良かったって思えるよ、お兄ちゃんがいてくれるから、勉強だってさ、頑張れるんだ、お兄ちゃんが見ていてくれるから、私にとってはお兄ちゃんが全てなんだ、この世で唯一価値があるもの、なんだよ」

 「そっか、華怜にとってはそうなのかもしれないな」

 「そうだよ、だって、お兄ちゃんだから」華怜も湊の体を抱きしめる。これ以上ないくらいぴったりと体を密着させる。

 暗い湊の部屋で、2人だけの時間が流れる。今何時なのかも分からない。雨の音は激しく聞こえる。今なら雷があっても怖くない、華怜はそう思った。

 二人は優しいキスをする。何度も、何度も。そのうちに華怜の声が少しずつ途切れていく。眠くなってきているようだ。

 湊は華怜のことをぎゅっと抱きしめてあげる。華怜は幸せそうな顔をする。

 だんだんと反応がなくなってくるが、それでも湊のシャツは掴んだままだ。

 湊が、おやすみと伝えるが、華怜はもう眠っていて反応がない。

 華怜が寝たのを確認してから、湊もまた眠りについた。


 7月23日木曜日、昨日からの雨が降り続いていた。

 「おはよう、湊、華怜」 青空はチェック柄ミニのプリーツスカートに白いペイントTシャツといったコーディネートで登場した。

 「ん?今何時?」

 「もう10時だよ、いつまで寝ているの?そんなにくっついちゃって」

 湊と華怜は密着したままだった。

 「あ、おはよう、お姉ちゃん」

 「おはよう、そろそろ起きなさい、華怜」

 「お兄ちゃん、おはようのキスして」

 「だめだ」

 「なんで?お姉ちゃんがいるから?」

 「それは、そうだな」

 「そっかあ、そうだよね」少し声が小さくなる。

 「とりあえず、俺は着替える、華怜も着替えて来い」

 「うん」華怜は大人しく自分の部屋に戻る。

 湊が部屋着を脱ぐと、細身で筋肉質の体が青空の目に入ってくる。

 「わあ、なんか、色っぽいよ、湊の体」

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