第104話
「ねえ、」
「ん?なんだ?」
「ぎゅうってして」
「あ、ああ」華怜の体を抱きしめる。
「お兄ちゃん」湊の顔をみておねだりをする。
「ああ」華怜のくちびるに軽くキスをする。
「ん、お兄ちゃん大好き」華怜は本当に喜んでいるような笑顔だ。間違いなくかわいい笑顔だった。
「ああ、そうだな」華怜の頭をなでてげる。これ以上はないというくらいに湊にくっついてくる華怜。
「寝るよ、お兄ちゃん」
「あ、寝ようか」
「おやすみなさい」
「おやすみ」
7月22日水曜日は朝から雨が降っていた。
「おはよう、お兄ちゃん」そう言って華怜が寝ている湊にキスをする。
「あ、おはよう華怜、珍しいな、華怜の方が先に起きるなんて」
「お兄ちゃんが優しいからだよ、元気をもらっているんだ」そう言って大きく伸びをする。健康な色気を感じさせる体のラインだ。
「それならいいけど」
「うん」パジャマを脱ぐと華怜の体にはショーツしか身につけていない。
「朝から刺激的な光景だな」
「あは、触ってみる?」
「ばーか」
「制服に着替えてくるね」
「おう、いってらっしゃい」
華怜が出て行くと湊も制服に着替える。
着替え終わると、ほぼ同時に青空が入ってくる。制服姿の青空はいつもながら美しい。
「おはよう、湊」
「おはよう、青空」
「朝の湊は華怜の匂いがするんだよね、ちょっとやきもちかも」
「え?そんなものなのか?」
「うん、やきもちやくと、ちょっと私やらしくなっちゃうかも?」
「そうなのか?」
「うん、ねえ、キスして」




