第102話
「うーん、今日もシンデレラタイムかな」
「そっか、じゃあ3時間半くらい勉強できるな」
「私もやるよ、お兄ちゃん」
「華怜はいくら勉強してもいいからな!」
「明日はテストも返却されるからね、お兄ちゃん」
「そうだなー、今回どうだった?青空」
「うーん、前回よりはちょっと良かったような?」
「そっかあ、俺も良かったような気はするけど、周りがどうなんだろうな」
「まあ、今気にしてもしょうがないよ、勉強始めよう、湊」
「ああ、そうだな、ちょっとアイスコーヒー持ってくるよ、みんな飲むだろ?」
「あ、うん、ありがとう湊」
「うん、ありがとう、お兄ちゃん」
1階に降りて3人分のアイスコーヒーを作る。ミルクの量が3人それぞれ違う。華怜が一番ミルクの量が多く、次に青空、湊はミルクをほんの少し入れるくらいだ。
部屋に戻ると2人から感謝されながらアイスコーヒーを渡す。
華怜はベッドの上のいつもの位置で横になりながら勉強している。
湊と青空はテーブルに向き合っている。湊の部屋には一応勉強机はあるが、ほとんど使われることはない。ほぼ本棚になっている。
湊と青空は土曜日の模擬試験に向けた勉強だが、華怜は数学の分厚い参考書を読んでいる。ペンを使わずに計算ができるのが才能だ、ちょっと真似できるものではない。
たまに、華怜がテーブルまで手を伸ばしてアイスコーヒーを飲む。その時に胸の谷間が湊の目に飛び込んできて湊は少しえっちな気分になるが、華怜は気にしていないらしい。
2時間ほど勉強が進んだところで、お母さんが夜食を持ってきてくれた。
サンドイッチとすいかだった。なんか、すごい組み合わせだなと思いつつ勉強を中断して食べ始める。
サンドイッチはお母さんの手作りで美味しかった。レタスが食べごたえがあった。ハムとチーズも市販のものとは違う美味しさだ。
「お兄ちゃん、口についているよ」そう言って華怜がパン屑を取ってくれた。
「ああ、ありがとう」ちょっとどきどきした。
15分くらいで食べ終わるとまた勉強を再開した。
残り1時間。湊は少し集中が切れそうになるが、持ち直してどうにか勉強をする。
カード作りのほうをすればいいかと、新たなカードを作り出す。
200枚以上にはなっているであろうカードをさらに追加していく。
3枚ほどカードを作ったところで時間になった。
「そろそろ、帰るね」
「ああ、送っていくよ、青空」




