第101話
「まあ、華怜は頭の良さが異次元だからなあ」
「そうかな?」
「そうだよ、お前のはギフトだ、神様からの」
「ギフトかあ、そうなのかな?」
「まず間違いない」
「ギフトかあ、私にとっては湊と一緒にいれることかなあ」
「わ、お姉ちゃん、そんなこと言うとお兄ちゃんがうぬぼれるよ」
「だって、私には特別な才能なんてないし、ただ、湊といれることくらいかなって」
「青空、ありがとうな」
「もーなんか、ラブラブだな、お二人は」
「華怜は、まあ、なかなか男の人は好きにならないよな」
「んー、私かあ、」そう言って湊の左腕にぎゅっと抱き着く。
「まあ、今の華怜には勉強が恋人と思えばいいよ」
「そうかな、」
池袋から、滝野川の家まで明治通りに沿って歩く。もう、既に道程の七割は歩ききっていた。
空を見上げると雲一つない快晴だ。
夕方になって少し涼しくなったように思えた。夏は夕方の涼しさが本当に助かる。湊はこの時間帯が一番好きだった。
西巣鴨の交差点まで歩いてきた。ここは白山通りと明治通りがぶつかるかなり大きな交差点だ。ここを過ぎると冨永家はすぐそこにある。
家に着くと、それぞれ部屋着に着替えるため部屋に戻る。
湊もTシャツと短パンに着替えた。まだ7時になったばかりだが、湊はさきにシャワーを浴びる。
シャワーから出ると、青空と華怜がパジャマ姿で湊の部屋にいた。お風呂を促すと、二人で仲良くお風呂に向かう。
どうせ、1時間コースだろうと、模試の勉強を始める。湊は大学受験用の勉強も基本的にはカードにまとめている。A4サイズの半分の大きさのカードだ。
もう、1年以上もまとめているため、相当な分量になっている。
模試は小論文、英語、日本史だった。とりあえず、英語をやろうと、英語を見直している。範囲が広いため、なかなか完璧に覚えるというわけにもいかなかった。
勉強をしていると、青空と華怜が戻ってくる。
お風呂上がりの少女2人はかなりの色気を醸し出していた。
湊は気づかないふりをして、チラチラと2人を見る。
暑いねー、などと胸元をパタパタとしているのも色っぽかった。
「今日は何時までやる?青空」




