第100話
サンシャイン通りを抜けて、交差点の所にあるカラオケ店へ、それぞれ学生証を見せて、学割料金になった。時間を確認されたので、18時までのフリータイムにしてもらった。
部屋へ通されると、意外と狭い。
カラオケに行くと、必ず華怜から歌うのがいつものパターンだった。今日も何も言わなくても華怜がデンモクをいじりだす。
湊と青空はもう一つのデンモクを二人で見て、色々と話していた。
華怜の最初の曲が流れる。
激しいロックだった。英語の歌詞が多いが、華怜はつっかえることもなく、歌っている。3人はどの曲を歌ってもほとんど知らないということがなかった。それくらい、3人はいつも一緒にいた。
湊も青空もちょっとだけ口ずさむ、いい曲だ。
華怜の曲が終わると、湊が歌い始める。
女性の曲だ。今かなり流行っている曲で青空も華怜も知っている。
高いキーも湊はうまく歌っている。無理なく高音が出ているようだ。
歌い終わると女性陣2人から拍手が出た。
3番目は青空だった。青空はバラードを選んで歌い始めた。いい感じにまったりできる。華怜と湊は歌っている間に自分たちの次の曲を入れ終わる。
華怜が頭を湊のほうに傾けてよりかかる。少しだけ、というような感じだ。
最初の順番は崩さずに歌っていく。
途中、華怜が青空に助けを求めたりして2人で歌う曲も出てくるが、選曲の順番は変わらない。
華怜が歌っている間に、湊が隠れて青空を触ったりしているが、青空がだめという感じに逃げる。
3人とも楽しかった。こんな風にストレスが発散できるなら、テストも悪くないかな、などと感じていた。
湊が歌っている間に内線が鳴って、終了の時間を告げられる。延長はせずにそのまま終了する。
夕方の6時に外へ出るとまだまだ明るい。
「楽しかったなー、カラオケ」
「うんうん、楽しかったよ、湊」
「さてと、帰ろうか?」
「うん、そうだね、湊」
「お兄ちゃんとお姉ちゃんは模擬試験あるからね」
「他人事じゃないだろ、華怜も鬼のように勉強しなきゃだろ」
「まあ、そうだけど、とりあえず、模試は一か月ないかな」




