第10話
青空が部屋で軽い睡眠に入っていると、玄関が開く音がした。時間は夜中の2時を回った頃だろうか。
なるべく音を立てないように動いているのが分かる。
「おにい、お帰りなさい」小さな声で青空が声をかける。
「寝てればいいのに、ほんと」
「ごはんあっためよっか?」
「いや、いい、食べてきたから」
「そっか、おにいの顔も見れたし、私は寝るよ」
「ああ、おやすみ」
「おやすみなさい」
7月8日の朝は少し雨が降っていた。
湊が目を覚ますと、隣で寝ている華怜のキャミソールがずれて、今にも胸が見えそうだ。
「華怜、そろそろ起きないと学校までダッシュだぞ」
「だっし、だっしゅ?」寝ぼけて訳のわからないことを呟く。
「華怜、起きろ、襲っちゃうぞ」
「おそっていいよお、おそって」
「こら、華怜」ほほを軽くたたく。
「ん?おはよ」
「ああ、おはようだ」
「おはようのキスして」
「あー、はい」華怜のくちびるに軽くキスをする。
「にゃは、おはよう、お兄ちゃん」
「今日は少し雨降っているぞ」
「あーめー、やだなー」
「とにかく着替えて来い」
「ん」言ってその場でキャミソールを脱ぎ始める。
「おーい」
「ん?」ブラをしていない形のいい胸が露わになり、ショーツだけの姿になる。
「ここで脱ぐなよ」
「迷惑?」
「いや、迷惑じゃないけど・・・」
ドンっという音がして、青空が部屋に入ってくる。
「こらこら、危ない兄妹!なにしているの?」
「いや、何もしてないぞ」
「お姉ちゃん、お兄ちゃんに襲われそうになっていたよー」華怜がウソ泣きをする。
「ほら、華怜もそう言っているでしょ?」
「いや、華怜だから」
「まあ、たしかに、華怜だからねえ」青空も納得したようだ。