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僕桃まとめコーナー  作者: カンデル
スピンオフ
77/81

枯野論

本編そっちのけスピンオフ第6弾!


本編ではまだ顔出し程度、名前すら出していない(166話時点)

にもかかわらずフライング・スピンオフ!!

物語の根幹にかかわる内容を公開という暴挙!

だって、書いちゃったんだよねぇ……


「枯野忠」VS「幌谷白夜」

君は理系だったかな?


「いや、そうでもないと思います。

 かと言って文系と言われてもピンとこないですし、

 う~ん、肉体系とも違いますね。」


肉体系とは、それはまた面白い表現だね。メモしておこう。

さて、世の中を最小単位、数字で見て行こうか。

いやなに、中学生レベルの話だよ。世の中を単純化して話すのだからね。


例えば私は先程、理系かと聞いたね? 一般的に理系の反対は文系だ。

勿論、君の言ったように「肉体系」だとか「芸術系」だとか色々ある。いやいくらでも作れる。

それは作ろうと思ったからだ。分裂、拡散、増殖の意図がそこにある。

ではね、光の反対は?


「闇、ですかね。」


闇、影、陰、暗黒。

まあ凡そ、その表現の違いはあれど「光」の反対を指す言葉としては同じだ。

と、言うことはだ。世の中を最小単位で見た場合、2進法だ。そう思うだろう?

そう意味では「2」が必要だね。


「いや、あの、二進法は0と1ですよね?」


御名答。二進法と名乗っているけれど「2」は使っていない。

2になる前に単位が上がるからだ。世界の繰り上がり、進化ともいえるね。

そもそも「1」なんて、数であって数じゃない。これは単数であって「存在」を顕す言葉だ。


では奇数の反対は?


「偶数です。」


奇数と偶数以外には?


「虚数とか?」


それは虚構の話だよ。

我々がいるこの世界に、奇数と偶数以外にあるかな?


「無いと思います。」


数式で言えば偶数は(2n)、奇数は(2n-1)だ。

言葉で言うと、偶数は2で割れるもの、奇数は2で割れないものだね。

やはり「2」が必要じゃないか。勿論、存在「1」もだが。


ところでね、君。

先程なんと言ったかな?


「肉体系?」


それじゃない、もちろん「虚数」でもない。


「う~んと、無いです、ですかね。」


そうだ。「無い」だ。

我々は「無い」、そう、0を蔑ろにしがちだ。二進法だって「0」という数字が必要なんだ。

数学界では「0」の発見が、いや我々人類の歴史上、発展、進化を爆発的に推し進めたものが「0」という概念に気が付き、名称を与えたからだ。


無を顕す「0」、存在を顕す「1」、そして複数の最小単位が「2」。

ここから導き出される答えは何だと思う?


「わかりませんね。」


三進法だよ。世の中は三進法なんだよ。


「なかなか強引な論法ですね、枯野さん。」


そうかな?

人類の歴史上、特に宗教や民俗なんかでは3が良く使われるだろう?

潜在的にこの世の中が三進法だと気が付いているからだよ。


「7もよく見かけますよね。あと、2だって4だって5だって。

 6とか9とかも。東洋では8も多いんじゃないかな?」


最初に「最小単位で」と言ったろう? 増やす意図がそこに存在する限り無限に増え続けるんだよ、人類は。神が言ってる通りだ。「産めよ、増やせよ。」だ。

ビックバン以降の宇宙の誕生と同じ。膨張、拡大の一途だね。


7は一桁の素数の最大値。やはり人類は大きいものが好きだ。

9も同様に一桁の最大値だ。位が上がる前、この世界では「王」の気分だろうね。

2、4、6、8は語るまでもない。ただの偶数だ。2「複数」を大きくしただけだよ。

5は十進法では貴重かもね。10の半分、つまり2で割った数だからな。

半端者の代表格じゃないか。


「暴論すぎやしませんかね。」


暴論?

暴論はこれからだよ、君。


この世の中は三進法だ。

我々は日本人だからそうだな、三種の神器。あぁ、君に(ゆかり)があるのかな、それは。

それで見てみようか。


玉。珠であり環だ。つまりそれで完結した存在。つまり魂。「1」だ。

これは精神文化ともいえる。歴史で言うところの宗教が支配した時代だな。

実際のところ、宗教の本質は「自身を顧みる」ところにある。極論だがそこに他者は必要ない。


次に剣。剣は何の為にある? これは他者への干渉だ。なにも戦争だけのことを言ってるわけではないよ。ただね、剣が剣である為には相手が必要なんだ。つまり複数、「2」だね。

物質文化。今の時代だよ、科学が支配している時代だ。

科学は自分以外が無いと成立しないんだよ。無機質も含めて。


では鏡は?

先に言おう。「0」だ。

鏡はそこに具現化して示されるが、実態は「無」だ。概念に過ぎない。

0を起点にして正数と負数が存在する。そもそも負数なんて現実には存在しないのにな。

籠に3個の桃が置いてあったとして、4個食べたら籠にある桃はいくつか。

マイナス1個? あり得ない話だ。


「1個も食べられなくてよかったですよ。」


ははは、言うね!


「0」は起点であり、その概念だ。そして「無」だ。

三進法と言っても3は使っていない。つまりこの世は0、1、2でしか顕されない。

この世を最小単位で考えると、単純化するとだ。


奇数の最小値「1」は存在を。自分自身を。

偶数の最小値「2」は他者との関係を。自分以外の全てだ。


「1が自分、2が他者全てとして……

 自分の2倍が「全て」とは思えませんけどね。」


なかなか頭が回るようになってきたじゃないか。

いや、これは失言だな。

私との会話に頭を回してくれてるようじゃないか。


自分以外、自分の外を宇宙としてだ。広大だね? 無限だ。

では君の心は? 無限の広がりがあるのではないのかい?

そうだな。「2」を「∞」に置き換えてもいいかもしれないな。


「1の対極に∞は無いでしょう。それこそ暴論だ。

 あっ!」


そうだね、気が付いたね。

「∞」の対極は「0」。

勿論、無限の対極が有限、存在を顕す「1」と捉えるのも間違いではない。

これは先程までの話の裏付けだな。


さて、ここで急に「1」、存在が起点となってしまったね。

「1」を起点に、無である「0」と無限の象徴となった「2」が対極に存在する。

あぁ、それでは混乱するだろうから0、1、∞に置き換えよう。


現実世界の話だ。

君という存在「1」、そこを起点にして物語は紡がれている。

言うまでもないことだろうけれど、君は君であって、君以外も()が居て、「存在」の数だけ君が在る。

混乱させてしまったかな? すまないね、そんなつもりは無かったんだが。

だが、君の物語は君を起点にしている。


「まぁ、そうでしょうね

 僕以外の人々にだって物語はある。」


そうだね。

君以外の物語も「存在」の数だけ存在する。

だがここで語るべき話じゃない。君という「1」の話なのだから。


「1」を起点にして。

精神、魂、存在を起点にして振り子のように「0」と「∞」が存在する。

つまり「無」は君を起点にして対極に「∞」が在る。


先にも言ったがね、「0」という概念は蔑ろにされがちだ。本当は身近にあるんだが、「無い」ものを「在る」というのもおかしな話だ。無視され、見ないのもしょうがない。


だが、精神文化の飽和、物質文化の飽和。

振り子は君を起点にしてどこに戻るのかな? 物質文化の膨張のふり幅の分、「無」が増えるわけではないね。「0」を何倍にしようと「0」は0なのだから。


ただ「0」になるだけなのだよ。

「無」だ。

ただ、振り子が振った分の代償が必要なだけだ。


「それが混乱に乗じ、僕に「無」を遣わせようとした理由ですか?

 僕に全てを「無」にさせようとした理由ですか?

 人類の犯した罪の代償として崩壊を体験させ、償わさせ、「0」に戻そうとした理由ですか?」


どうかな?

私に「戻す」という意志は無かったよ。ただ私には「0」にする力は与えられていなかったからね。


私は思うのだよ。この世は三進法だ。

では位が上がるためには? 次のステージへと行くためには?

「0」は避けられない。「0」使わないと次の世界には行けないのだよ。

「無」を乗り越えた先にしか、その上の世界は無い。そうは思はないかい?


「わかりません。

 犠牲の先にしか発展は無い、進化は無い。

 それは確かかもしれません。

 でも僕は、その選択をするつもりはない。」


確かにね。

君はやはり「1」だな。

存在を否定しては「1」で在りえない。



君がどう「0」と「∞」の狭間で決断していくのか、この後、どういう決断をする物語なのか、楽しみにしてるよ。

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