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其処の唄(幕間)
テーン
テーン
テーン
鞠の弾む 地を打つ 静寂の中で響く 音
御伽噺は語りだし歯車は廻りだす
鬼来たりて童は舞い踊り
廻り流され我は我と覚えず
幼子の 少女の 過ぎたる 唄
生けるもの皆氷門に閉ざされ
花の色褪せて手より零れ落ちる
高みに至るも悲しみを鎮めることは無し
闇の中 月明りすら届かず ただ其処に 在りて
遠く異形の訪来を
迎え称えんと欲すれば
其れ即ち終焉の灯になりにけり
哀しみは何処へ 心は何処へ 君は何処へ 僕を誘いて
人に智慧あるや否や
天に光明あるや否や
地に息吹あるや否や
僕は 君に再び出会う 此処で 其処で
彼の世は此の世の影の如し
彼の世の繋がり絶たんと欲するも
・・・・・・・・・・・・
何度も 何度も 何度も 何度でも
テーン
テーン
テーン
鞠が弾む 僕を誘う 君へと運ぶ 其処へ
其処へと 其処へと 誘いて 誘いて




