第2幕 鬼来たりて童は舞い踊り
【ストーリー】
「にぃちゃん。鬼探ししなくていいかも。」
桃太郎といえば鬼退治。記憶によれば桃太郎は自ら鬼退治に向かったはずだが……
望まなくとも向こうからやってくる鬼を、僕はニコナとウズウズとともに迎え撃つ。
鬼。鬼とは何なのだ。直接目の当たりにしても、倒さねばならないことはわかるにしても、その存在も倒す理由も、僕にはわからなかった。
※注 幌谷は戦えません。
【登場人物】
幌谷ビャクヤ(ホロヤ・ビャクヤ):主人公の大学2年生。
物語の中心は彼の口から語られる。そのためかなりの妄想、こだわり、無駄な知識が展開されるわけだが、んま、二十歳前後の男の頭の中なんてそんなもん。
母子家庭で育ったが中学生の時に母と死別し、一時期は姉とともに親戚のお世話になっていた。大学へ進学とともに一人暮らしするも、学費と生活費を稼ぐためバイトは多め。友達は少なめ。車の免許を持っているが車はなし。
エアコンはつけない主義。
軒島ニコナ(ノキシマ・ニコナ):犬の転生者を名乗る私立中学2年。
武術全般が得意、というよりすでに師範クラス。シャードー組み手を頻繁に行っているのは周りに対等に戦う相手がいないから。主人公に寝技や関節技、投げ技を使うのはただ試したいから。
クールなタイプで積極的に友達などを作る方ではないが、ひよりんと琴子という親友がいる。
コーラ大好き。
佐藤ウズシオ(本名不明):猿の転生者を名乗るフリーター。
壇之浦に紹介されたコミュ力0女子。その正体は壇之浦を討ち損じた暗殺者。ダガーナイフの他、なんでも武器に使う癖がある。
猫背・巨乳・眼鏡という3要素を搭載しているが誰得かは不明。そして本人にもプラスに働いていない。バイトは掛け持ちじゃなく、すぐに解雇されるので職を転々としているだけ。
いつもお腹がすいている。
雫ミスミ(シズク・ミスミ):雉と名乗る電話の女。
主人公が中学生の時に転校するまでは同級生だった。一応、幼馴染。
主人公に対するデータ収集力はストーカーレベル。普通に犯罪。
矢文が使える。
壇之浦(ダンノウラ):主人公の元父親。
暴力団関係者、つまりはヤクザ。ひょうひょうとした喋り方をするが話の運び方(交渉)は上手い。
主人公が未就学児の時に離婚。母親が亡くなってからは時折、金銭的援助を行っている。
笠子組若頭。
幌谷カナデ(ホロヤ・カナデ):主人公の姉。27才独身。
高校を卒業後に雑貨屋で働き始めた。前オーナーにその人当りの良さと商才を認められ店を譲り受ける。仕事だけでなく家事全般もできるが料理は苦手。唯一お稲荷さんを作るのは得意。
主人公のことを「はーちゃん」と呼ぶ重度のブラコン。主人公が一人暮らしを始めると同時に隣に引っ越してきた。異常なほどの被害妄想&仮想マダムに対する敵対心は弟に対する愛。さすが同じ姉弟。
フルーツ好きを通り越してフルーツマニア、フルーツ中毒、フルーツ星人。
泣き虫。
澄河ユイ(スミカワ・ユイ):主人公の1年先輩で憧れの人。
オノマトペ研究会(という名の読書同好会)に所属。洋書の原書を好んで読む才女。
前髪がアホ毛になるのを気にし、いつもヘアピンをつけている。
田村:笠子組の構成員。
対抗組織から幌谷姉弟の護衛を秘密裏に行っている。そして佐藤ウズシオの連絡担当。
見た目はまったくヤクザっぽくない。ハンチング帽がトレードマーク。
【鬼】
半鬼:鬼化したての鬼。
鬼化の元凶である鬼門をつぶせば人間に戻れる可能性がある。
見た目は人と変わらないが自我を失い狂暴化。戦闘能力、耐久力も人間以上。
完鬼:完全に鬼化した鬼。
鬼門をつぶしても人間に戻ることはない。
見た目は完全に童話上の鬼と同じ。人間レベルで倒すことは無理。