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結衣の決意
私、安藤結衣はこの世に生を受けてから十六歳である今まで、「幼馴染」という名の三人の悪魔の「玩具」になっている。
彼らは日々、様々な我儘や理解不能な行動で私を振り回す。
それが彼らの「遊び」なのだ。
そして振り回され、ヘトヘトになる私を見て、艶やかな笑みを浮かべながら楽しむのだ。
何とえげつないことか…。
もちろん、私だって黙って遊ばれていたわけではない。
彼らから逃げようと色々な方法を試みた。
しかし、彼らの恐ろしく賢い頭脳と驚異的な運動能力によってすぐに捕まる。
そして、逃げた罰と言わんばかりにまた遊ばれる。
何事にも熱しやすく冷めやすい彼らだが、何故だか私で遊ぶことに今のとこ飽きる気配がない。
けど、私だって、彼らから逃げることを諦めたわけではない。
いつの日か、完璧に整った彼らの顔が驚きに崩れてしまうくらい、華麗で確実な方法で逃げ出してやるのだ。
彼ら…悪魔達の「玩具」という立場から。