エピローグ:回し車の上のハツカネズミ
廻る
廻る
廻る
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回し車の上で
止めることも忘れて
刻み付けることを、足を踏み続けることを、身体の錆を身体の灰汁を落とそうかというほどに偏執的に執拗に刻み付けるように
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たとえ、その作業が、計画であり、空間を創り上げる作業で、あったとしても、
たとえ、その作業が、精神であり、抉り抉り、すぼみ続ける作業で、あったとしても、
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それらは、等しく、せずにはいられない、欲求であり
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生きることとは、……きっと、そういった、あらがえないもの、の積み重ねで
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書くことが、息を吸い吐くことと、一緒であるなら
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ここに生み出される世界は、
生れ落ちる、それ、生は
意味のないものなど、存在しないのです
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いえ、わたしが、今このときを息をしながら、生を全うすることに対して、
私以外のだれかが、必要だといってくださる方などそんなにいらっしゃらないでしょう
そんなわたしが、今このときを息をしながら、生み出したものに対して、
私以外のだれかが、必要だといってくださる方などそんなにいらっしゃらないでしょう
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けれど、それらは、わたし自身において、意味のあるものであり、
何ものにも代えることのできない
かけがえのない、
そのために息をし続けているといっても過言ではない
大事な、それ、なのです
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それを大事にこころの奥に閉じ込めて
わたしを生きようとしているのです
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わたしにとって、それは、このようなことだった、というだけの
本当にそれだけの
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いつかいつか、それら、違うものを融合して、
小説を書くことも、
詩や絵を描くことも、
すべて、同じものですと
言い切れるようになりたい
小説を書くことが不思議だと、今の視点ではそこまでしか言い切れないわたしでも、
いつか、すべて、同じものですと
言い切れるようになりたい
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回し車の上のハツカネズミのように
きっと、そんな風に思いながら
回し続けるのです
いつか、言い切れるようになりたくて
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2018/07/26 完結と致します。
このような作品に、目を通してくださった、方々に、精一杯の感謝を。
有難う御座いました。
失礼いたします。




