血を吸った種は発芽する
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クルアシア帝国から使者がやってくる。天下統一のお知らせと、我が国への臣従化のお知らせだろうと内容が簡単に想像できたそれはなんの驚きももたらさなかった。
神聖クルアシア帝国56代皇帝アーメリー・クルアシアの死を伝えられた瞬間、本当に意味がわからなかった。
言葉を失う私に使者が説明する。
天下統一のその日に陛下は崩御。その死に怪しい点はなく、すでにカルミア・クルアシアが皇位につくことが決まっていると言う。
カルミア…?知らない名前だ。
のちに流血帝、または奴隷帝と言われる彼女をこの時、私はまだ知らなかった。
カルミアはアーメリー陛下の元奴隷である。今は准将の地位にあり、アーメリーの片腕とまで言われた猛者である。しかし、皇室の血が流れている事は知られておらず、この時、私が彼女と即位する新皇帝が同一人物であるとはわからなかったのである。
戦争が再び始まる!
この世でもっとも高貴な血を吸った死神の種は、広大で真っ赤な花を咲かせるであろう。
カルミア・クルアシア?そんな名前も知らないやつにこの天下が治められてたまるものか!内戦、また属国になったばかりの二大国も動くだろう。