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クルアシア帝国滅亡記  作者: ネムイデブネコ
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転生

なんでだろうという一言が私の人生を決めてきた。

一番最初にその言葉が浮かんだのは小学生の頃だった。最初はグー、ジャンケンの掛け声だ。

友達はただの掛け声としか考えていなかった。高校生の頃にインターネットで検索をしてお笑い芸人が起源だと知ったがそれまでは自分の仮説を信じていた。

最初はグー、全員にグーを強制させる。それは全員がグーを出してあいこになった状態と同じだ。

あいこのあとにはたいてい手を変える。グーそのままはあまりださない、だからチョキとパー。

ならチョキを出せば勝てる。

そんな風に仮説を立てて生きてきた。


もっともこれはあいちゃんっていつもぐーちょきぱーの順番に出すよねの一言で崩れたけど。


成長するにつれて疑問はどんどん増えていった。そして世の中にはベクトルがかかっている事に気づいた。

なんでだろう、ブルーベリーで視力は上がらないのにみんな上がると思っている。

なんでだろう、ヨーグルトで花粉症は治らないのにみんな治ると思っている。


山田愛が自分の人生を悲観したのは中学1年生の時だった。休日に本屋に行き目当ての本を買って帰る途中で小学校に入ったばかりくらいの子供たちが塾の建物に入っていく。

なんでもない光景だったはずのそれは妙に頭に残り、5秒くらいたった後、唐突に愛の心を砕いた。

6年差がある。

私はまだ中1なのに、あの子たちと同じ人生を送った人間とは6年も差がある。


6年もの差を覆すにはどうしたらいいんだろう?

これから自分はどうすればいいのか。家に帰ったあとはベッドの上で買ってきた本も読まずにそんなことを考えていた。

このまま単純に勉強してもまあまあな所までは行けるだろう。子供は遊びたいものだし、真剣に勉強しているものは少ない。あの年齢から塾通いして勉強に努めている子供は少ないだろう。


10分くらい考えて難関資格だな。と思った。

なぜなら憲法の三大義務の一つである義務教育の中学3年生までそんなに教育内容は変わらないし、その延長ともいえる高校でも変わらない。大学や専門学校に行き、はじめて大きく変わる。

その大学行くために高校で努力しなければならない。しかしそれはあくまでも形式的な話、中学生でも学校外で高校の勉強も大学の勉強もできる。そこまでやる子供がいるとは思えないけど。

親がよほど教育熱心でなければの話だが。


たとえ小1から塾通いをしていたとしても難関資格の勉強はしていない。やっていない以上、努力の差を覆せる。日本の昔話にウサギと亀が競争の話がある。足が遅い亀に油断したウサギが競争途中で寝てしまい走り続けた足の遅い亀が勝つというものだ。努力が大事だという昔ばなしだがウサギがさぼらなければ亀はウサギに負けていた。

前提がおかしいのだ。亀は得意な泳げるルートを選択し、途中からでも泳ぎウサギに勝つべきだったのだ。それか食糧を用意しウサギを妨害しウサギの寿命が来るまで待つ。亀は長寿だ必ず勝てる…ハズだ。

自分が得意なもの、長所で勝負しなくてどうする?または相手の長所、得意分野から外して勝負しないでどうする?あの昔話を聞くとイライラする。


バイトのできない義務教育が終わり、高校生になれば校則さえなければバイトができる。100万円貯めて予備校に行こう。


そして山田愛は高校3年生のある日、バイトに行く途中、交通事故によって死亡した。

次に目覚めた時、彼女は転生をしていた。

日本どころか、世界すら違う異世界へ。


クルアシア帝国の属国、ライティア王国の第三王女アイ・ライティアに転生した。

偶然にも転生前と名前は一緒だった。

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