第七章の登場人物と単語帳
*こちらは第七章のネタバレを含んだ紹介となっています。一読する時は注意してください。また、少しでも綴られた世界に目を通して頂く上で、補足となれば幸いです*
~登場人物~
【日本】
・桜峰 友香
【雨喜びの幻覚】をもつ神格呪者。最後まで陸を、優紀を殺めることを躊躇っていたが、それが彼らの望みであり、世界を救う方法だと信じて刺殺する。結果、生命を司る【環状の手負蛇】、己自身を司る【雨喜びの幻覚】、世界の記憶を司る【想造の観測】を身に宿し、人間として蘇生させられる。
・九十九 陸
【環状の手負蛇】と【想造の観測】の二種類の異能を有した神格呪者。純と手を組み無名の演者を生み出し、世界を滅亡に追い込もうとした。その真意は友香に殺される正当性を獲得することであり、このことは優紀を始め、純、チャールズとともに計画された戦争であり、見事、友香に殺され神格呪者としての能力を譲渡し、友香の蘇生に成功する。
・幾瀧 純
世界を巻き込んだ戦争を実行しようと言い出した張本人。その目的はこの世界の創造主を利用して、本当の世界を拝もうというものだった。今回の世界の一つ前の世界でリセットされた時、その時の記憶をなぜか引き継いでいたバグレベルの人間でもある。紘和と本気で戦い引き分けで終わるまでは、まさしく敵であり続けた。
・天堂 紘和
【最果ての無剣】の所有者で日本の総理大臣。八角柱の一席、七つの大罪にも座し、今回の戦争でも前線で戦いを繰り広げた。純との戦いを引き分けに終え、役目としてチャールズを殺害し、彩音に紘和たちがいる世界と彩音の世界を繋げ、彩音の世界に転移させる異能を持った魔剣を用いて侵略行為に加担した。彩音に、彩音の世界に踏みにじられた人間の尊厳を取り戻すべく、彩音の世界に正義の牙を向けようとしている。
・中之郷 智
紘和の命ではなく、純の命で最初は司令室をほぼ壊滅させ、チャールズに牙を向いた。これも全て純が紘和の望みを叶えるためとそそのかしたからであるが、結果としてチャールズが前線に出れない状況はたくさんの負傷者、死者を出し、友香に陸を殺させる覚悟を押し付ける形になったので成功している。その後は、チャールズに敗北し、見逃してもらった上で前線に復帰する。無名の演者の特異個体に一切の引けを取らず、剣術と武術のみで圧倒してみせた。
・古賀 泰平
日本の新体制で一樹の補佐役としてその地位を高める。養子にリリーという名の新人類がいる。戦争の膠着状態に違和感を覚えたというジャンパオロらと小隊を組む。オーストラリア陣営の援軍を装い、状況を悪化させることで戦況を無理やり動かすことを人のためと機械を差別し、黙認することを選ぶ。後に純の強襲にあい、生還するも特異な無名の演者を前に行く手を阻まれた。
・野呂 兼朝
元日本の剣で剣帝にして暴食の名を持っていた男。日本陣営として参加した。
・海地 養根
警察庁長官で一樹が八角柱に加わった頃からその席に座り続ける。日本陣営の代表として参戦した。
・天堂 央聖
パーチャサブルピース社長。イギリス軍にパーチャサブルピースの人員を提供した。
・萩尾 亮太
純や紘和の友人。喫茶店ヒマツブシのオーナー。
【パーチャサブルピース】
・マーキス・ホメイニー
紛争地域を中心に傭兵業をしていた黒人。イギリス陣営として参加。ジャンパオロに雇われ、途中から別働隊として行動する。的。アメリカ陣営として参加。戦争の膠着状態に違和感を覚えたというジャンパオロらと小隊を組む。オーストラリア陣営の援軍を装い、ラ状況を悪化させることで戦況を無理やり動かすことを人のためと機械を差別し、推奨することを選ぶ。後に純の強襲にあい、生還するも特異な無名の演者を前に行く手を阻まれた。
・カレン
アメリカのスラム街で央聖が拾った元孤児。イギリス陣営として参加。無名の演者クラスは圧倒した。
【アメリカ】
・チャールズ・アンダーソン
若きアメリカの現大統領。サイキョウの一人で最凶として【夢想の勝握】を所持している。八角柱にアメリカの正義として所属。アメリカ陣営の代表として参戦。当初は最前線で敵を一掃する予定だったが、純の策略により味方を守るために後退させられた。その後、智を任した後は、純の奇襲に備えるというていで戦闘に参加せず、引きこもっていた。彩音によって世界をリセットする緊急装置としての役割を担っており、その弊害で全ての記憶だけを引き継いだ状態で黒い虹が出現する日まで戻されていた。【夢想の勝握】の時間を巻き戻す作業とは違い、リセットは神格呪者の全滅、もしくは何事もないままチャールズが往生した時に行われており、その回数は五垓六九九三京六八二一兆二二一九億六二三八万零七二零回。本人は回数までは把握していないが何度も挫折しては、起き上がりを繰り返し、五垓六九九三京六八二一兆二二一九億六二三八万零七二一回目で純によってその生涯を終えた。
・レイラ・ガドガン
チャールズの秘書。アンダーソン・フォースに所属しており、アメリカ陣営で参加している。
・最茶 獙獙
中華系アメリカ人。アンダーソン・フォースでも一位二位を争う戦闘力を持つ。幼女好きで、幼女には優しい。アメリカ陣営で参加。紘和たちと小隊を組み、友香を陸の元まで届ける任につく。純に敗北後、ジャンパオロらの救援に駆けつけ、戦場を圧倒した。
・ボブ・ハワード
アンダーソン・フォースでも一位二位を争う戦闘力を持つ。巨漢であり、動物好き。アメリカ陣営で参加。純に敗北後、突貫で無名の演者に仕立て上げられ、智と共にチャールズを強襲し、その人生を終えた。
・ソフィー・コラード
アンダーソン・フォースに所属している特殊工作員。パーチャサブルピースに身を置き、世界の情報収集を行っている。また、パーチャサブルピースそのものの動向を監視することも任務に含まれている。イギリス陣営で参加。ヘンリーにはその身元がバレており、交渉材料に使われた。
・ニック・バンス
アメリカ軍所属の一般兵。弱き臆病者としてゾルトに強制連行され、ジャンパオロらの小隊に合流する。純と邂逅した時に、弱いという最大の隠れ蓑で銃弾を一発、純に撃ち込み撤退させる。彩音によって放たれた嫌がらせでもある。
【プロタガネス王国】
・バシレスク・バトラー
プロタガネス王国の国王。曲者を束ねる王の資質を持つ男。人類側の戦争の総大将として参加。全ての責任を被る様なふるまいで部下の、全軍の行動を許す。智のことを人間として気に入り、チャールズのことを友人の息子として哀れんだ。
・オズワルド・マクギガン
バシレスクの補佐役のような立ち位置の男。ホワイトハウスを司令室とした場所でバシレスクの補佐をしていたが、同席していた智により戦線を離脱させられた。
・ゾルト・ムーア
チャールズが欲しがる程、強い傭兵。フードのある服を常に来ていて、好戦的。アメリカ陣営として参加。戦争の膠着状態に違和感を覚えたというジャンパオロらと小隊を組む。オーストラリア陣営の援軍を装い、ラ状況を悪化させることで戦況を無理やり動かすことを人のためと機械を差別し、推奨することを選ぶ。後に純の強襲にあい、生還するも特異な無名の演者を前に行く手を阻まれた。
・ジャンパオロ・バルボ
世界随一のハッカーで情報戦を得意とする。アメリカ陣営として参加。戦争の膠着状態に違和感を覚えたというジャンパオロらと小隊を組む。オーストラリア陣営の援軍を装い、ラクランズを犠牲にすることで、状況を悪化させることで戦況を無理やり動かすことを人のためと機械を差別することを提案、推奨した。後に純の強襲にあい、生還するも特異な無名の演者を前に行く手を阻まれた。
・モフセン・ラティフィ
神出鬼没な殺人鬼。おどおどとした口調、表面とは裏腹に殺し屋で役者としての活動でも有名である。アメリカ陣営として参加。
・エノーラ・オールポート
八角柱が一人、ブラジルの勇気であるイザベラから手ほどきを受けていた経歴を持つ武芸の申し子と言われた鬼才。アメリカ陣営として参加。
・バーナード・カッター
実力のある戦闘員。アメリカ陣営として参加。最終防衛ラインを任されていた。
・クラーラ
プロタガネス王国に匿われている新人類。イギリスの革命終了時に逃げ出した新人類の一人。アメリカ陣営として参加。最終防衛ラインを任されていた。
・ワイマン
プロタガネス王国最強の男。究極の指示待ち人間であるが、命令を絶対に執行してきただけの実力がある。現在はバシレスクの命令にしか従わない。アメリカ陣営として参戦し、特異な無名の演者を一蹴した後、バシレスクの指示でイギリス陣営の救援に向かい、そこでも圧倒的力を見せつけた。
【ロシア】
・アンナ・フェイギン
アメリカに亡命し、合成人の研究を続けている。
・ライザ・ベリアフ
アンナとして活動しているため、ロシアの愛として八角柱会議に参加していた。
・タチアナ
フクロウとの合成人。陸、純側につく。決戦前夜に特異な無名の演者に改造される。その後は純を乗せ戦場を渡り歩いた後、友香たちの前に現れ、瞬殺されその生涯を終える。純のために全てを受け入れていたタチアナの死は少なからず友香の背中を悪い方向に後押しした。
・ラーヴァル
マンモスとの合成人。そして、ロシアの右手ナンバー三。ロシア陣営として参加。合成人を率いて戦場を蹂躙する。その後、カナダ陣営と合流し、特異な無名の演者と接敵する。
【イギリス】
・ヘンリー・カンバーバッチ
八角柱にイギリスの希望として所属。イギリス陣営の大将である。無名の演者を圧倒するものの、陸が用意していた特異な無名の演者、万有を前に自身を成りすましされ、接戦を強いられることなった。
・アリス・レイノルズ
成りすまし新人類。紘和ら友香を陸の元に届ける小隊に配属される。成りすましの中でも特異な存在であり、成りすました対象の人格、記憶までも獲得することに成功する。その結果、陸を戦闘面で圧倒するだけでなく、陸の企みにも気づくこととなる。その際、真実が必ずしも善意ではなく、自分にとっての善意が必ずしも相手にとっての善意でないことを知り、傷心する。
【オーストラリア】
・リディア・ロビンソン
八角柱にオーストラリアの知恵として所属。ラクランズを始め、全ての機械の機能を一時的に停止する電磁パルスを作成した。
・コレット
波を操るラクランズのバーストシリーズ。仲間の窮地を救うべく、ジャンパオロらと約束を交わすものの、その先で仲間を大量の無名の演者へと変えられてしまう。それでも交わした約束を守り、行動を共にした。純の襲撃を脱した後は特異な無名の演者に襲われるも、ほとんど体力のないジャンパオロらの小隊を見捨てることなく、人間のために立ち向かった。
【エジプト】
・シャリハ・ムバラク
八角柱にエジプトの信仰として所属。エジプト陣営の大将として参加。特異な無名の演者、夢幻に成りすまされた上、窮地に陥っていた。
・アースィム
シャリハの執事。老骨だけ腕は立つ。無名の演者相手には引けを取らなかったが、特異な無名の演者、夢幻に敗北し、成りすまされる。
【ブラジル】
・イザベラ・シルヴァ
八角柱にブラジルの勇気として所属。ブラジル陣営の大将として参加。その圧倒的な力は特異な無名の演者すらも圧倒する。能登にエジプト陣営に加勢し、シャリハに成りすました特異な無名の演者、夢幻も一蹴する。
・ヒラリア・フォスター
イザベラの弟子。体術を武器に見立てた手足で行う、ステゴロ最強イザベラと姉弟子である武芸の申し子エノーラの両方のいいとこ取りをしたような戦術を好む。イザベラの指示でジャンパオロらと小隊を組む。オーストラリア陣営の援軍を装い、状況を悪化させることで戦況を無理やり動かすことを人のためと機械を差別し、黙認することを選ぶ。後に純の強襲にあい、生還するも特異な無名の演者を前に行く手を阻まれた。
【カナダ】
・マイケル・サザーランド
八角柱にカナダの節制として所属。カナダ陣営の大将として参加。全ての戦場で最も損害を出さずに勝利を出し続けていた。しかし、特異な無名の演者、大山に成りすまされてからジリ貧で劣勢をしいられた。
【創造主のいる世界】
・花牟礼 彩音
この世界の創造主であり、友香を悲劇的にした張本人。自身の世界の人間の人格、魂というものをデータにして作成した人間たちを、世界という名のシミュレートされたビオトープで人間の蘇生を観測するという実験を行っていた人間。
その目的は省吾に会うこと。実験としてはプランを四つ用意しており、サブプランが新たに発現したこの世界での異能による蘇生(新人類)、肉体に残る精神情報を助長させた蘇生(合成人)、複数人の記憶に残る人格からの蘇生である。どれも当事者たちにありていの理由をつけ、成功すれば物種程度の感覚で実験していた。
メインは生命の循環、個人、世界にいるという条件を能力に置き換え神格呪者とし、それらがまとまることで人間が再び出来上がる、という手法で蘇生とするものだった。結果、友香が蘇生され、彩音はそれを間近で一心に観察し、蘇生はできるという事象を記録したことで目的を達成するのだった。
~単語帳~
・無名の演者
陸によって、人間とラクランズ、黒い粉、そしてそれらを結合するための陸の血液を元に作られる黒い液体を【想造の観測】によって合体させた生物兵器。どんな人間でもラクランズの機能により一定水準の戦闘力を持たせつつ、人為的に肉体、精神を操作可能にした。一方で人格は残っているので黒い粉により、この生物兵器に扨せられた時の恐怖や過去のトラウマを引き合いに黒い粉で新人類の異能を発現させることに成功している。命名者はチャールズ。
・特異な無名の演者
電磁パルス以降、ラクランズの機能を介さず、人格のみで敵対してきた無名の演者の中でも特に目立った特異な個体。合計で八体出現している。うち三体瞬殺され記録に残っていないが、他五体はその脅威から後に名も付けられた。新人類としての能力を複数獲得し、合成人としての力を持ち合わせているのが最大の特徴。特にヘンリー、シャリハ、マイケルの力を奪うために創られたとまで考えられた成りすましを獲得した個体は猛威を振るった。
・万有:新人類の能力で怪力と成りすましを獲得したカメレオンの合成人でもある無名の演者。
・夢幻;新人類の能力で幻覚と成りすましを獲得したカエルの合成人でもある無名の演者。
・大山:新人類の能力で転移と成りすましを獲得したステゴウロス・エレンガッセンの合成人でもある
無名の演者。
・怪鳥:タチアナのこと。
・【統率兵器:夢想の勝握】
様々な刻印の施された左右のガントレット。一度装着すると所有者が死ぬまで外す事ができない。ただし、ガントレット自体は様々に形状を変えて装者の腕に絡みつくように装備できる。チャールズの死と同時に紘和に譲渡された。
・【相乗兵器:最果ての無剣】
無色透明な刃物。無剣自体の形状を知る者はおらず、所有者の第一印象が反映されているとされる。能力は所有者のみ使用可能とするありとあらゆる刃物の召喚。ただし、召喚されたモノは重複を許されない。
・グンフィズエル:名馬グトルファフシとともに在る宝剣。対象者に幸をもたらすことから奇跡を誘発する特性を持つ。
・魔剣ウザコリフ:あらゆる敵を倒し最期にその脅威を全て駆逐して脅威となった自分を殺したという逸話からどんな敵でも刀身を抜き出した瞬間に一撃で殺すことの出来る、切る行為すら必要としない、満たすべきこれといった条件のない魔剣。
・魔剣イソロ・ゲナヤ:この日のために純が創った逸話を【想造の観測】によって実在することになった対彩音決戦遺物。彩音の胸に突き刺すことで、シミュレートの世界から彩音の世界に全人類を転移させることができる。ただし、その際の情報不可に耐えられず、わたりきれずに死んだ人間も多くいる。逸話の概要は女神の愚行に人間が神罰を下す、皮肉の物語。




