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綴られた世界  作者: 白井坂 十三
第五章:ついに始まる彼女の物語 ~三大兵器編~
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第五章の登場人物と単語帳

*こちらは第五章のネタバレを含んだ紹介となっています。一読する時は注意してください。また、少しでも綴られた世界に目を通して頂く上で、補足となれば幸いです*

~登場人物~


【日本】


桜峰さくらみね 友香ともか

 【雨喜びの幻覚】を駆使し、紘和と純の協力の下、自身の存在を頼りに優紀を追う。負の連鎖を断ち切るため、自らの手で陸を殺そうとするも、殺人という行為に押しつぶされ失敗に終わる。




幾瀧いくたき じゅん

 負傷した傷が癒えた後、オーストラリアの乱戦に参加する。結果として、紘和を気絶させ、ラクランの最後を看取った。




天堂てんどう 紘和ひろかず

 最強にして日本の剣の強欲。純とともにオーストラリアの乱戦に途中参加し、バーストシリーズとの戦いを経て強くなったことを実感する。しかし、純には勝つことができず、自信をなくす一方、聞き覚えのある声に励まされ目を覚ます。根拠のない活力がみなぎり、純の指示の下、八角柱の七つの大罪の席を奪おうとしている。




天堂てんどう 一樹かずき

 日本の現総理大臣で、八角柱に日本の七つの大罪として在籍している。日本の剣を創設し、今もなお傲慢を冠しているが、【最果ての無剣】は一樹に譲渡し、最強の称号は失っている。チャールズとの会話で死期を再認識した上で、気まぐれで窮地の敵にエールを送る。後に紘和が七つの大罪の権力を奪いに来ようとすることになるが、このことを指しているのか、関係性はわからない。




九十九つくも りく

 変わらぬ友香からの逃亡生活を続けつつ、ラクランズの研究資料を入手するためオーストラリアに密入国する。敵対関係者を増やしつつも、当初の目的は達成する。【雨喜びの幻覚】により【想像の観測】の欠点をつかれて友香に殺されかけるも、事なきを得る。




菅原すがわら 優紀ゆうき

 陸の中に囚われながらも友香を【想造の観測】で保持する。




古賀こが 泰平たいへい

 外事第三課所属の警部。イギリスから帰国後、日本の剣の剣鬼にして憤怒の席に急遽据えられる。リリーとの将来を考えている矢先、どこかで見た顔の女性と遭遇し、偶然では片付けられないものを感じるも追跡の機会を逃していた。




古賀こが リリー

 新人類で幻覚の使い手。泰平の養子になる。泰平のことを信用しているため、自分以外の新人類が世界の各地に散らばったこと、そして彼らがジェフを探していることを伝える。




萩尾はぎお 亮太りょうた

 喫茶店ヒマツブシのオーナー。純の入院を見舞いに来る。




花牟礼山はなむれい 彩音あやね

 友香がいたアパートの大家。きっとどこかに登場している。





【パーチャサブルピース】


天堂てんどう 央聖おうせい

 パーチャサブルピース社長。紘和の父。特に優れた戦闘能力はないが、商人としての才覚がある。ラクランに陸の撃退を強要される。その一方で、滞在期間が長くなることを想定し、今後の切り札になるであろうオーストラリアの秘密を社員に探らせる。人体実験をしていたという秘密を暴くところまでは順調だったが、撤退のタイミングを見失い、結局人質としての扱いを受け続けた。最終的に、自社に裏切り者がいることを確信し、チャールズに一泡吹かし返そうと気合を入れる。




・ソフィー・コラード

 パーチャサブルピースで央聖の秘書を務める。着ぐるみのコスプレ以外にも、チャールズとの接点を匂わせる。茅影と共にオーストラリアの闇の部分を明るみにし、カレブを見つける。




・マーキス・ホメイニー

 紛争地域を中心に傭兵業をしていた黒人。銃火器を用いたゲリラ戦を得意とする。実戦経験の高さから現場でも最大戦力の一角で冷静な判断ができる切れ者。どこまでいっても金を基準に動く点ではもしかすると央聖よりもドライな人間関係を築いている。




・ミルドレッド・ノールズ

 フリーランスの暗殺業をしていた女性。あらゆる武芸で立ち回るオールマイティ。イギリスの革命以降、社長に対し信頼が増している。




・カレン

 アメリカのスラム街で央聖が拾った元孤児。ミオスタチン関連筋肉肥大を患いつつ、力の制御を覚えず成長した故に肉弾戦を得意とする。自身から発生するエネルギーを起点に様々なエネルギーに変換できる普通では考えられない重量の武装を身に着けて戦闘する。体表の熱エネルギーを電気、磁力、神経伝達強化、音、冷気に変換することができ、その負荷に耐えて実用レベルまで運用できる、規格外の人間でもある。バーストシリーズを圧倒するも、真の強者足り得ないことに怒りを顕にした。




茅影ちかげ

 情報収集を生業とする合成人でリュドミーナの分裂体。足が欲しいという理由で世界を歩く央聖と協力関係を結んでいる。ソフィーと共にオーストラリアの闇の部分を明るみにし、カレブを見つける。




・ケイデン・バンクス

 若き銃器の使い手。様々な銃器をそつなく使いこなすことが出来る有望な若手。チャラチャラとした感じだが仲間思いである。




・ユーイン・ガドガン

 新人類で怪力の使い手で特異体。以前、ミルドレッドと死闘を演じた末、パーチャサブルピースに戦力として雇われる。ジェフを探すという観点でイギリスで足止めを食らうよりはマシと考え、その提案を受け入れる。同じ新人類であるアリスと再開し、ジェフを探すという共通の目的をもつ新人類が他にもいることを再認識する。




・カーチレ・クーリバリ

 重量級の特殊なハンマーを扱う男性の戦闘員。怪力自慢である。特殊なハンマーは打撃面に九つの穴が空いており、反対側は斧に仕上げられ、打撃と斬撃を両立した武器となっている。ラクランズのバーストシリーズクラスになると劣勢を強いられるぐらいの強さである。




・コニー・ゴードン

 爆発を軸においた兵器開発を好む、女性研究員。自社製品のほとんどを手掛けており、社員がもつユニークな武器の生みの親である。俗にいうマッドサイエンティストで研究以外のことには興味がない。人間ですら素材として見ているぐらいである。




【イギリス】


・アリス・レイノルズ

 最初の新人類。成りすましを最大限に使いこなす。普通の人間とは異なる力を手に入れても平凡であると感じていた彼女は、同じ新人類であるユーインと再会し、ジェフを取り戻したいかどうかという、力があるからできるできないとは違う土俵の話をされて少し吹っ切れる。後にヘンリーに変身し、結果的に友香を守り、結果的に紘和到着までの時間稼ぎを成功させる。





【アメリカ】


・チャールズ・アンダーソン

 若きアメリカの現大統領。最凶にして【夢想の勝握】を所持している。八角柱にアメリカの正義として所属。いつの日か、リディアを、知的財産をアメリカ、ひいてはチャールズの手で護ることをラクランと取引はしていたようだ。そのため、強引な介入をして、全てを権力でもみ消した。一応、現場でクラークを止めるなどして、恩を売った形はとっている。今までも様々な画策をしていたようだが、その一部がこれから起こるであろう戦争を成功させるためだと明かされる。




・レイラ

 チャールズの秘書官。有能であり、チャールズに信頼を寄せている。




【ロシア】


・タチアナ

 フクロウとの合成人。純にちょっとばかりの思いを寄せながら、監視の名目で同行している。なんだかんだで今までの起こった数々の事件を知っているため、今回のオーストラリアの一件が悲恋と蘇生という一つのテーマでまた行われているという、度重なる似たような経緯に違和感を抱けた。




【オーストラリア】


・ラクラン・ロビンソン

 八角柱にオーストラリアの知恵として所属。三大兵器と呼ばれる武器を生み出している。八角柱最年長でオーストラの大統領兼自身が創立したダッシュ社の社長でもある。オーストラリアを狂気の海に沈めた元凶。妻であるマデリーンを亡くしたことをキッカケに、もう一度幸せな家庭を過ごしたいと彼女の蘇生をしようとする。その過程で副産物として仕上がっていったのがラクランズである。蘇生の手順は機械に記憶を、すなわちマデリーンの生前のデータを取り込ませることで再現性を取らせる、というものだった。最初はマデリーンの想い出の品や近しい人の言葉によるデータが集められる。しかし、後にそれだけでは足りないと、主観的で伝聞されたデータだけでは人間の記憶を再現することには限界があるという結論にいたる。そこで、ラクランズを始め、三大兵器で手に入れた莫大な資金で国民を事実上の買収をし、買収した人間の記憶からマデリーンを中心とした様々な生のデータを取り出した。買収した人間はラクランズにその全てを置換され、誰にも気づかれることなく、否気づくものがあればラクランズして、隠蔽に全力を尽くしたのだ。だが、それでも足りないという事実からラクランは実の娘と息子のリディアとカレブのデータを、記憶を手に入れようとしたのだ。しかし、殺害しようとしたが返り討ちに会い死亡する。

 そして、ここまでがリディアが作ったラクランの記憶であり、リディアの知っているラクランの複製だった。ラクランはリディアに自分以上の才能があるとわかった時点で、研究の全てを継がせる方向に切り替えていた。そのため、死ぬ直前に自身の記憶を複製し、この記憶をマデリーン完成の最後のピースにするつもりで、独自の保存をしていた。また、リディアに研究をさせるために、ラクラン本人を殺させることによって罪悪感と使命感を植え付けて、それが達成され、マデリーン完成に尽力している姿を見届けようとした。そして、ある程度リディアの研究が軌道に乗ったら知的財産を護るためにアメリカの庇護下に入るようにチャールズと約束を取り交わしていた。しかし、結果は、紘和によって破壊され、自殺する前に純に発見され不慮の事故で最後を迎える。ただ、本当に愛おしかったが、ここまでして蘇生させたかったのかと自身に疑問を持っていたような節があった。




・マデリーン・ロビンソン

 ラクランの妻で、若くして病でこの世を去っている。研究者としては夫であるラクランよりも優れていたとされている。




・リディア・ロビンソン

 ラクランの娘。ラクランが設立したダッシュ社で研究部門を任されていた。ラクランとをラクランズとして作り、マデリーンを調整した天才から生まれた天才。自分がやらなければという強迫観念の元、兵器開発から人体実験まですべてこなした上で、事実上の八角柱のオーストラリアの知恵として在籍していた。八角柱のメンバーでもこの事実を知る人間はチャールズだけであるが、薄々感づいていた者もいたようだ。現在はチャールズに保護され結局流されるままに兵器開発を続けている。




・カレブ・ロビンソン

 ラクランの息子でリディアの兄。学問においては凡人ではなく、秀才である。もしも、リディアがいなければ天才と呼ばれていたともされる。その劣等感もあったため、商業の分野で頭角を伸ばす。ラクランに命を狙われた際に、兄としてリディアを守れず、リディアにラクランを殺害させてしまったことでその劣等感はよりこじれる。そのため罪を背負ったリディアを全面的にサポートすることで、支配欲を満たしていくこととなる。オーストラリアの暗部が明るみになることを恐れて三大兵器であるクラークを起動するも失敗に終わる。現在はパーチャサブルピースに保護、監禁されている。




・ポーラ

 ラクランズで解析に特化したバーストシリーズの一体。実際はマデリーンの仮の名前で、解析でも感情に特化している理由はマデリーンがマデリーンになるために自身でも情報を蓄積していけるようにするためである。そのため、早い段階から特異な個体の集まる集団である友香たちに着目して接触していた。




・コレット

 ラクランズで波に特化したバーストシリーズの一体。破壊と相殺に適応した波長をラクランズという処理速度で瞬時に最適解を叩き出せる。今回の騒動中、ラクランから指揮権を任された。




・ビリー

 ラクランズで増幅に特化したバーストシリーズの一体。様々なモノの効力を強化することが出来る。今回は光を増幅してみせた。しかし、パーチャサブルピースの精鋭を前に敗れた。




・ミア

 ラクランズで発光に特化したバーストシリーズの一体。光量以外にも若干の熱などを操作することができる。視覚を潰すことに特化した個体とも言える。しかし、パーチャサブルピースの精鋭を前に敗れた。




・イーサン

 ラクランズで模倣に特化したバーストシリーズの一体。ポーラの解析に似たところがあるが、こちらが副産物で模倣することでラクランズ対人戦能力を向上させるために使われている。実質ラクランズの戦闘データのほとんどの中枢でもある。




~単語帳~


・パーチャサブルピース

 央聖が作った企業の一つ。兵力を売ることで平和を提供することを生業にしている。武器から人材まで幅広く提供する。


・ラクランズ

 ラクランが製作した三大兵器の一つで高性能すぎるアンドロイド。演算処理による最適解を瞬時に導き出し、人間のような滑らかな可動が特徴。


・バーストシリーズ

 量産型のラクランズとは一線を画す能力を付与されたラクランズのこと。八角柱との拮抗を名目で最大で八体まで生産してよいという条約が結ばれていて、最近、その上限に達したと言われている。現在、解析、波、増幅、発光、模倣の五体が登場している。

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