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桜の想い出

作者: 権左衛門弐
掲載日:2017/04/16

その日はニュースでやっと桜の開花宣言がされた日だった。少し前までなかなか気温が上がらず、まだかまだかと待ってやっとのことだった。


私はいつも通り支度をして、会社へと車で向かった。

会社へは車で30分、その間に母校の前を通る。私がそこを卒業したのは1年前のことだ。卒業したときと変わらない風景がいつも私を待っていて、楽しかった想い出は社会の荒波に揉まれる私を励ましてくれた。


だが今日は、なんだかいつもと違う。いつもなら登校ラッシュが既に終わっていて生徒や先生なんて見ないし、見るとしても遅刻している生徒ぐらいだ。しかし今日は制服姿の生徒もいるし、スーツ姿の先生だっている。


「そうか、今日は入学式か」

一人合点が行き、ちらりと横を眺める。すると、ある人が目に入った。いや、私は無意識にその人を探していたので見つけたの方が正しいのかもしれない。

隣にいる生徒と会話をしているのか、私がいた頃と変わらない笑顔を見せていた。


胸がどきりとした。卒業して以来、何回か母校には遊びに行ったが出会えることはなかった。だけどいつも心のどこかで少しでもいいから姿を見たいと思っていた。

1年ぶりの先生は何も変わっておらず、私の気持ちも変わっていなかった。


「今日も一日頑張るか」

人を想う気持ちはすごいと久々に思い出せた日だった。

もう正面切って会うことはないだろうし、すれ違うこともないかもしれないし、姿を見ることもないだろう。

だけど、桜を見る度に私は今日の胸の高鳴りと、学生時代の色あせない気持ちを思う出すのだろう。

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