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第五章
二月五日。五日目。
最後の第一、第二志望校の試験日。
今日落ちたら第一、第二志望校に行くチャンスを失う。なんとしてでも合格しなければならない。午前に第一志望校、午後に第二志望校を受けた。日に日に周りの受験生の数も減っている。出願していても今ここにいない受験生は、もうこの学校や他の学校に合格しているのだろう。つまり、ここにいる受験生はみんな落ち続けているという事だ。この中で一番頭が良いのは自分。だから絶対合格出来る。そう思い込んで問題を解いた。
二校とも今までの中で一番出来が良いと思った。もしかしたら合格出来るかもしれない。今回の自信は今までと違う。合格出来る。自信が確信へと変わる。ただそれを親には言わなかった。もし落ちていたら……。
そう考えると父親はもちろん、母親にも言えなかった。心の中ではウキウキ、表面的には自信なさそうに沈んだ様子でパソコンに表示される結果を見た……




