雨男だから学校を休校にする
僕は雨男だ。
2075年
人間が持つ謎の能力「晴男」「雨男」が科学的に解明された。
手術や遺伝子操作によって人々は天気をある程度操作できるようになった。
天気を操作できることは社会の発展に繋がった。
漁業では晴男の能力が重宝され、農業では雨男の能力が重宝された。
武力ともなり得た。
大きな台風を起こせば国を壊滅させることもできる。
これらのことにより晴男や雨男の能力使用には資格が必要になった。
「国家気象変動士」という資格だ。
誰でも挑戦できる資格であり合格すれば晴男や雨男の能力が貰える。
晴男の能力を得るか雨男の能力を得るかは適性次第だと言われている。
僕は高校2年生の天達詩音だ。
最近国家気象変動士の資格を受けた。
気象に関する知識だけでなく気象変動が及ぼす影響の知識も問われた。
突破率10%の難関であったが猛勉強してついに資格を得た。
何のためかって?
もちろん・・・
学校を休校にするためだ!
通常の授業日にやっても能力の無駄遣いだ。
決行するのはテストの日。
このために能力を磨いてきた。
おそらく学校を休校にできるほどの大雨を呼べるだろう。
やるしかないんだ!
明日はテストの日!
明日の朝決行するぞ!
朝になった。
僕は外に出た。
雲ひとつない快晴だ。
それを今から雲一面にしてやる。
「雨男の能力! 雨乞い!」
両方の手の平を天に向ける。
天にもくもくと雲が立ち込めていく。
しばらくすると雨が降ってきた。
成功だ!
僕は学校に行った。
一応警報が出ても学校には行かなければならない。
まぁどうせ休校だろうけど・・・
「ええっ!」
思わず声をあげてしまった。
学校につく頃には空は快晴だった。
なぜだ?
なぜだ?
もう一度やってみよう。
「雨男の能力! 雨乞い!」
再び天に雲がもくもくと立ち込めていく。
「晴男の能力! 晴空!」
天の雲がなくなっていく。
声の主を探しているとちょうど声の主と目があった。
声の主は正門に立っている先生だった。
「天達君、今日のテスト頑張りましょうね。」
先生かーーーーーー!
先生には勝てない。
これは生徒の定めだ。
おとなしくテストを受けるしか無さそうだ・・・
僕はなくなく学校へ入っていった。
あれ?テスト勉強したっけ?