戦闘編④
「んー……あいつも負けてんじゃねえか」
「……お前は誰だ?」
僕が父さんの『催し』に付き合い、スタジアムにいる時、聞いたことがほとんどない声が聞こえた。
その中性的な声の主は、黒いフードで顔立ちは見えなかったが、仕草から性別は女だとわかった。
「オレか? オレは北斗。堕天使だ。所で、強いヤツを探してるんだが……やっぱお前でいいや」
北斗はそう言って、僕に刀で斬りつけ、僕はそれを能力を持つ刀で防ぐと、ぶつかりあった刀は刀身が淡く輝きを放つ。
「なるほど……お前の刀も能力持ちか。この刀は春夏秋冬っていって、相手の能力をコピーして俺に付与するんだが、その刀には変な能力が付与されてるみたいだな」
「僕の刀ですか? この刀は、龍神の意思を反映する刀です」
「なるほど、お前がこの世界の龍神か」
北斗はそう言うと、笑いながら強力な……魔理沙さんの魔法を放つ。まあ、龍魔法はないみたいですが。
僕もそれを龍魔法で押し返し、魔法は相殺する。
「おもしれえ! お前の能力……なんだこれ?」
ああ、刀を経由して僕の魔法をコピーしたんですか。
僕の能力は、『再現する程度の能力』と『強奪する程度の能力』です。
僕は、北斗がたじろいでるその瞬間に攻撃に移行します。
「ぅお! あっぶねぇ!」
北斗はそれをかわして足払いをかけますが、僕はそれをかわして上から刀を突き立てます。
「くっ!」
北斗はそれを転がって避け、僕が飛ばす弾幕をかわしていきます。
「くっそ!」
しかし、北斗が弾幕を展開して、またもや僕の弾幕と相殺します。
「ああ、もう、焦れったい! 絶符〈パンドラの箱〉」
北斗はスペルを唱えると、僕の頭上から大量の弾幕が降り注ぎます……が、僕はそれを龍神のマントで防ぎます。
「なんだ、そのマント?」
「『硬度を変える程度の能力』を持つ布です」
「なるほど……絶符〈絶望に染まる世界〉」
北斗はさらに十字架の弾幕が……分裂ですか。これは閉じ込めてしまいましょうか。
「創符〈閉鎖した世界〉」
僕は架空世界を作り、閉じ込める魔法で北斗と弾幕を閉じ込めます。
「しまっ……絶望〈アポカリプス〉」
北斗は大爆発を起こすスペルで、閉鎖した世界諸共、弾幕を吹き飛ばしました。
「なるほど……一筋縄ではいきませんね。まあ、次はそうもいきませんよ?」
僕はそう言うと、スペルを唱えます。
「神滅〈羅翔戒紋・神鬼〉、神縛〈羅翔戒紋・増植〉」
僕のスペルにより、神鬼の力を持った設置型ガトリング砲が出現し、北斗の足元から植物が現れ、四肢と顔を縛ります。
「さよなら」
その言葉と共に、ガトリング砲が撃ち出され、北斗を蜂の巣にしました。
「なーにーがー「さよなら」だ?」
「え?」
そこには、傷一つない北斗が、僕の眼前で拳を振るっていました。
僕はその拳を受け止め、蹴りつけます。
「貰いました、君の能力」
「残念、まだコッチに残ってる」
北斗はそう言うと、刀で僕を斬りつけます。
「ぐっ……しまった」
「破壊」
僕は破壊の力に、再生の力で対抗します。
「だあああああああ!!」
「キャアアアアアア!!」
「「え!?」」
僕らが戦っていると、上空から2人の人型が降ってきて、僕らごと、父さんの夢想霊砲に吹き飛ばされました。
◇◆◇◆◇
「うん。悪いな、お二人さん。勝者、俺」
俺は、巻き込まれた2人に巻き込んだことを謝り、両手をあげる。
「勝ったぞおおおおおお!!!!」
スタジアムの観客と、敗者席のみんなが、「えー……」と 言ったような気がした。