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戦闘編①

さて、今回は第1部です!

先生の紹介は……あらすじでやったし別にいいよね?

 朝、目が覚めると、嫁がすぐそばにいた、よくあることだ。


 朝、旅行中に異世界に巻き込まれた、よくあることだ。


 朝、異世界に行こうとして、自分から世界の扉を潜った、よくあることだ。


 〜これは、幸か不幸か、そのよくあることに巻き込まれた、十人ちょっとの出逢いと別れの物語である〜


◇◆◇◆◇


〜霊斗視点〜


「あー……暇だなぁ……」

「痛たた」

「……」

「……」


「「誰……?」」


 俺が、トレーニングを終え、いつものように博麗神社の縁側で転がっていると、1人の野球選手らしき人が尻餅をついている。


「大丈夫か? 俺の名は、博麗 霊斗」

「あぁ…….ありがとう。俺の名は尾上 宏大。見ての通り、野球選手をやってる」

「へぇ……お前も、参加者なのか?」

「参加者?」


「え……? 紫から聞いてないか?って、違う世界の住人なのか?」

「違う世界……どうなんだろうな。この世界って、魔法は?」

「あー……存在する」

「なるほど……多分、違う世界だな」


 あいつらみたく、どうやら違う世界の住人だそうだ。


「あ、そうだ。俺について来てくれ」

「お? なんかあるのか?」


 尾上はそう言って、俺が開いた時空の狭間に、躊躇なく飛び込む。

 紫慣れしてるのか……? とは思うが、あえて突っ込まないでいこう。


 俺が空間の狭間で繋げたのは、〈暁の次元〉。

 通称、夜明けのスタジアム。


「君は……スキマ使いなのかい?」

「いや、あらゆる物を扱うことができる。まあ、簡単に言えばチートだな」

「なるほどねぇ……」


 俺は、この少し暗く、そして、深い思い出の詰まったスタジアムの地面を、強く蹴って、高く飛翔する。

 そのまま、手の平に火の玉を出現させると、そこから霊弾を発射する。


「な、何をするんだ!」


 尾上はそう言いながら、俺の弾幕をひたすら走って避ける。


「大丈夫だ、俺の弾幕は尾上さんには当たらないように設定してある」


 俺はそう言うと、弾幕を広範囲に広げ、尾上に向けて全てを発射する。


「うわあぁぁぁぁ!!」


 その弾幕は、尾上に当たることはないのだが。


「……え?」

「だから、当たらないって言ったじゃんか」

「そ、そうか……」


「……そろそろ頃合いかな?」


 俺はそう言って、指をパチンと鳴らす。

 その途端、俺のすぐそばに1人の見慣れた男……神谷 零が現れる。


「ありゃりゃ……バレてたか」

「当たり前だろ? 俺がわからないとでも思ったか?」

「そうだなぁ……ま、いいや。それより、こんな大切な場所で戦うってのも嫌だろ? 闘技場を作ってやるよ」

「え!? 本当か!? ありがとう!」

「気にすんな。会場『ただそこにある世界』」


「お! サンキューな! 俺は他の参加者たちを連れてくるから、2人は会場の中で待っててくれ。それと、あとで皆で宴会もするから、酒と料理を用意してくれるとありがたいな」

「わかった。楽しみに待っていろ」

「あ、零、それとな……」

「お、それはいいな。わかった。やってみる」


 零はそう言うと、尾上と共に俺の開いた次元空間の扉をくぐって、零の作った別世界へと歩いて行った。


◇◆◇◆◇


「うーん……霊斗って、暇人なのか?」


 俺は、また届いた手紙を読んで、そう思わずにはいられなかった。


『この間のお礼をしたい。迎えに行くから、準備だけは整えて、待っていてくれ』


「おーい! 優一いるかー?」

「ああ! いるぜ! 開いてるから入ってくれ!」


 俺は、全てを見る目で目的の人が来たのを確認すると、できる限りの大声で返事をした。


「遠慮なくお邪魔させてもらうぜ!」


 霊斗はそう言うと玄関をガラリと開け、俺はそれに少し遅れて霊斗を出迎える。


「あれ? 奥さんと子供たちは?」


 霊斗は能力を使っていなかったのか、俺の姿を見るなり、第一声にそう発した。


「子供たちも真里も、寺子屋だ。って言うか、第一声はそれかよ!」


 俺がつっこむと、霊斗は「あはは……」と、苦笑いしていると、霊斗の後ろから仁や早紀と同じくらいの年の子が、ヒョコッと顔をのぞかせる。


「こんにちは! ……霊斗様! この人、とっても強い気配がします!」

「ああ、こいつは八雲 優一。俺の知る中でも、トップクラスの実力を持つ猛者だ」

「あれ? その子はどうしたんだ?」

「ああ、俺の孫だ」

「孫? お前ん家って、子供いたっけ?」


「霊夢との間に子供がいたんだ。そいつはー……今、準備してるんじゃないかな?」

「へ〜。ちなみに、孫は何人目だ?」

「さあな。百からは数えてねぇし、この子はちょっと特殊だから」

「特殊? どんな風に?」

「ああ、ある程度成長したら、もう全く成長しなくなっちまったんだ」

「なるほど……」


「霊斗様! 強い人の気配が増えましたわ!」

「そうかい、そいつらと遊んでおいで」

「いいんですか!? ありがとうございます!」


 俺の孫は律儀にそう言ってお辞儀をすると、強い気配である、優一の子供たち、仁と早紀の元へと駆けて行った。


「……で? 本当はどんな風に特殊なんだ?」

「……あの子は、時間が完全に止まっているんだ。第20代目博麗の巫女、博麗 霊愛れいあ。動くことはできるが、一切のダメージを受け付けない。あの子には、俺も敵わないからな」

「霊斗様〜!」「優一!」「パパ!」


 俺は、俺の嘘を見抜いた優一の質問に答えると、3人の子供たちを迎える。


「お友だちがたくさんできましたわ!」

「そうか、良かったな。霊愛」


 俺はそう言って、霊愛の頭を撫で、霊愛はそれに気持ち良さそうな反応をする。


「霊愛ちゃんって、霊斗(さん)の子供だったの!?」

「んー? えっとね、霊斗様はね、私のお爺ちゃんだよ!」

 

 仁と早紀が驚いた反応をすると、優一は苦笑いをして、後頭部を掻く。


「あれ? 霊斗さん……かな? お久しぶりです!」

「おー……真里ちゃんか。久しぶり。……これで優一の家族は全員集まったか? 君たちを、俺が主催する宴に招待しよう」

「ああ、早く連れて行ってくれ」

「こん中だ。霊愛、案内してやれ」


 優一はワクワクしながらそう言うと、俺が開いた次元の狭間に飛び込み、子供たちもそれに続く。


「ご迷惑おかけします……」


 最後に、真里さんがそう言って、飛び込んで行った。


 俺はそれを見届けると、次のゲストを迎えに行った。


◇◆◇◆◇


「よし、俺もそろそろ向かうかな」


 俺は全てのゲストに声をかけ終え、指をパチンと鳴らす。

 すると、俺は何人かと共に、闘技場のような場所の真ん中にいた。


「「「くっそー、俺も出たい!」」」

「まあまあ、後で戦えるから」


 観客席がギャーギャーとうるさいな…….と思ったら、俺が呼んだ何人かの奴らが暴れている。……あとで戦わせるか。まあ、そんなのはいいだろう。


「さて……自己紹介しておくか。俺は博麗 霊斗。一応この世界の統治者……だな。よろしく」

「……いきなり連れて来ておいて、それはないんじゃないですか?」

「ああ、お前の保護者……的なやつには許可とったし、まあ俺だろ?」

「それもそうだな。こいつにぐちぐち言ったって、何も変わらないだろうな。それより、俺は神谷 零。皆の戦い、楽しみにしてるぜ!」

「まあ、いいでしょう。私は、ヴィーナス・スカーレット。私も、どれだけ皆さんが楽しめるか、たのしみです」

「俺は八雲 優一。あそこにいるのは真里と仁、それに早紀。俺の大切な家族だ」

「ボクは夜桜、好きなのはのんびりすること。よろしくね」

「私は白虎。これはめんどくさいけどー……青華の頼みだから、仕方ないわね」

「私は篝火 煉。オイルライター……まあ、外の世界の火を点ける道具の妖怪。よろしく!」

「私は、龍凪 嵐夢。忍者の末裔よ」

「俺は尾上 宏大。野球選手をやってる」

「俺は博麗 海斗。霊斗、今回は負けないぜ!?」

「お、楽しみだな。……とりあえず、零以外の自己紹介した奴は、俺について来てくれ」


 俺はとりあえずで人を区切り、戦闘のルールの説明をする。


「殺してもいいが、ほどほどにしてくれ。俺が一騎打ちを要求するスペルを皆に配布する。一騎打ちスペルの使用があったら、第三者の介入は無し。あとはとにかく自由! チート組はこの戦闘を盛り上げてくれるのを期待している。ノーマル組はとにかく必死でやってくれ。以上! 3……2……1……スタート!!」


「霊斗! 全力で行くぞ!」

「ああ! こい!」


 俺が開始を宣言すると、真っ先に優一が俺に突っ込んでくる。

 優一は泉という刃こぼれしない剣を突きの構えで持ち、足元の地面が少しえぐれるくらいの踏み込みで俺に攻撃をしかける。


「甘い!」


 俺はそう言って、俺の刀『妖王刃』の腹で優一の突きを受け、攻撃を弾く。


「砲符〈星の如き光〉」


 俺と優一の剣術勝負になっていると、空高く……ヴィーナスから極太レーザーが発射される。

 俺たちはそれを、お互いに力で吹き飛ばし合うことで回避する。

 一方、嵐夢が跳躍し、ヴィーナスの腹に殴りかかろうとすると、ヴィーナスはそれを星を出現させて身代わりにし、その一瞬の隙でヴィーナスは男に変身した。


「まったく……危ないですね。そんなに近接戦闘がいいならやってあげますよ」


 ヴィーナスはそう言うと、嵐夢の目の前から一瞬で消え、背後から蹴りを放つ……が、それは煉に防がれる。


「嵐夢、加勢させてもらうよ!」

「ありがと!」

「2人になろうが、変わりませんよ! 連符〈グラビドボール〉」


 ヴィーナスは変身を解き、嵐夢の体を背後から引っ張って嵐夢の体勢を崩し、両手を煉と嵐夢に向け、たくさんの小型の星を当てる。


「この程度じゃ負けないよ!火符〈ライターフレア〉」

「私だって!空弾〈乖風〉」


 煉が立て直し、ショットガンのように火の玉を振りまくと、嵐夢は空高く跳躍し、空中からヴィーナスを狙って空気を蹴る。


「星滅〈ブラックホール〉」


 ヴィーナスはブラックホールを出現させ、煉の攻撃を吸い込む……が、嵐夢の攻撃は防げず、しかし、ヴィーナスにも当たらなかった。

 嵐夢の攻撃は嵐夢の顔の横を掠り、嵐夢の頬から一筋の血が流れだす。


「一撃スペル〈ホームラン〉。……2対1なんて、卑怯じゃないか?」


 尾上はそう言うと、ヴィーナスと背中合わせになり、グローブとボールを構える。


「ありがとうございます」

「いやいや、別に構いませんよ。球符〈電光石火・レーザービーム〉」


 尾上はそれだけ言うと、ボールをレーザービームのように撃ちだす。

 そのボールは嵐夢に真っ直ぐと向かって行き、嵐夢の腕に当たる。


「キャアッ」


 嵐夢の腕には青い痣ができており、嵐夢は涙目でとても痛そうな表情をしている。


◇◆◇◆◇


〜霊斗視点〜


「優一、そろそろ気をつけろ。奴が来る」


 俺はそう言ってニヤリと笑うと、優一は俺のことを訝しげに見る……が、俺がこの場から少し離れると、優一も反対方向に離れる。

 その直後現れたのは、長い爪を血で染め上げた俺の宿敵、牙狼がろう絶。

 最強の座を俺と奪い合う、最高峰の魔術師の1人。そして、初代博麗と協力し、幻想郷を作った超妖だ。

次回もお楽しみにしていてください!。

次回!戦闘編②


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