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2014年/短編まとめ

作者: 文崎 美生

ザァザァといつもは耳障りな雨音が今は心地いい。


耳に馴染むその音に埋もれて、私は雨空を見上げた。


厚い雲に覆われた空。


後悔、挫折、停滞、それらが私を取り囲む。


この道を選んだことを後悔していて、小さな失敗で挫折をしてしまって、進めなくなって立ち止まらば停滞となる。


どうする?どうすればいい?


問いかける人なんていないし、問いかけたところで答えが返ってくるわけじゃない。


戻れるわけじゃない、進めるわけじゃない。


灰色の雨に打たれる私が見える世界は灰色で、先が見えなくて進む道すらもわからないのだ。


今の私そのものだ。


目的地は最早見失った。


どんなにもがいても見つからない。


雨の音が強くなった気がした。


戻れないし進めないなら、どうしたらいいんだろうか。


叫び声が喉元まで来て締め付ける。


最初から分かっていた筈でしょう?


私が私に問いかける。


そうだよ、わかってたよ。


でもその道しか私には見えていなかったんだよ。


頬に張り付いた髪が気持ち悪い。


体に張り付く服が鬱陶しい。


水を吸った靴が重い。


視界が霞む。


雨水が入ったかな、なんて目を擦っても視界の霞み具合は変わらない。


それどころか酷くなっていく。


頬に雨水以外の生暖かい液体が流れた。


頬が濡れてるのも視界が霞むのも全部雨のせい。

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