表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖夜  作者: ityou
2/13

トラップ

さ、2話目です。

よろしくお願いします!!

琴梨が提案したホテルへと着いた。

市電にバスを使って約1時間かかった。

時刻は9時過ぎた。

「さ、入ろっか。」

琴梨のテンションが上がっている。

美味しい食事があるからなのか、僕とデートができるからなのか、他になにかあるのかわからない。

でも、楽しそうにしている琴梨を見ると僕も楽しくなる。

「うん。人が多いから逸れないように…」

僕はそっと彼女の手と繋ぐ。

一瞬、琴梨はビックリしていたがすぐに冷静さを取り戻し僕の手を取る。

初手繋ぎ。

「手を繋ぐのも初めて?」

琴梨が聞く。

「学校行事とかで数回…」

恥ずかしい。

「ぷっ…」

琴梨が笑いをこらえる。

「だって、琴梨が初めての彼女なんだよ?初めての事だらけだよ…」

「そ、そうなんだ…」

琴梨が頬を赤らめていう。

なんだか嬉しい。

「さ、食べよ~」

今日は聖夜祭ということで食べ放題となっていた。

いつもは1品毎に注文するシステムだが今日は特別らしい。

いつもを知らないからよくわからないけど。


食べ放題の制限時間は90分だった。

食べて話してを繰り返しているとあっという間の時間だった。

こんなにも楽しい食事は初めてだった。

「楽しかったね。ありがとう琴梨。」

ホテルのロビーで並んで座り話をしている。

「こちらこそありがと。私も楽しかった。」

琴梨も楽しかったみたい。

良かった。

正直、僕はデート中も不安だった。

本当に楽しんでいるかどうか。

ま、嘘だとは思うけど。

「で、これからどうする?」

時刻はそろそろ11時になろうとしている。

「琴梨、帰りたくないな。」

琴梨がニヤッと言う。

僕も男だ。

その台詞の意味くらいわかる。

「わ、分かった。」

そうして僕たちは琴梨が事前に予約してあった部屋へと入った。


「ね、健ちゃん。先にシャワー浴びていいよ。」

琴梨が言う。

「いや、琴梨入んなよ。男の後は嫌だろ?」

「別にいいよ。健ちゃんの後なら。」

「琴梨…」

可愛すぎる…

吹っ飛びそうな理性を気合で保ちつつ風呂へと足を運ぶ。

「さて、ここからが正念場だ。」

僕は気合を入れてシャワーを浴びる。

念入りに洗う。

「さ、ここから失敗はできない。」

僕はそう呟いて風呂場を後にする。


「琴梨、いいよ。」

僕はベットに横たわっている琴梨に言う。

「はぁ~い」

琴梨が眠そうに立ち上がり風呂へ向かった。

風呂場から布が擦れる音が聞こえる。

そして、その音が止んだと思うと今度はシャワーの音がする。

僕は興奮した。

いや、こういう場面で興奮しない男性がいたら教えて下さい。

こんな馬鹿なことを考えているうちに琴梨が出てきた。

しかも、バスローブ姿で。

あ、もう理性崩壊です。

僕は琴梨の胸に手を伸ばす。

「ちょっと、健ちゃん…」

スルリとかわされた。

ちょっとショック。

「ごめん、あまりの美しさに我慢できなくてさ…」

僕は正直に言う。

「へ・ん・た・い!!」

そう言いながら僕の鼻に軽いデコピンを食らわす。

「僕は正常な男です。」

そう言うと琴梨は笑い冷蔵庫からジュースを取り出す。

「これでも飲んで落ち着いてから…始めようよ……」

琴梨が最大限に顔を真赤にして言う。

「う、うん……」

僕もその時が迫っていると思うと緊張してくる。

「じゃ、乾杯!!」

「乾杯!!」

僕と琴梨はグラスを軽く当ててから一気に飲み干す。

ホテルのジュースなのかかなり美味い。

いままでに味わったことのない味だ。

あれ…

視界がボヤケ出した…

意識が…

朦朧と…



あれ…

電話が鳴っている…

夢?

いや、現実でだ。

僕は目を覚ました。

ジュースを飲んでから意識を失ったみたいだ。

「うぅ…もしもし……」

『あ、健志か?』

「お、おぅ…」

『大変だぞ。お前の昨夜の写真が学校でばら撒かれている。』

「嘘…だろ……」

僕は昨夜の記憶が無い。

何をしたのか覚えていない。

怖い…

怖い怖い…

「どうしよう!!」

僕は電話の主、大野隆生おおの りゅうせいに相談した。

『まぁ、落ち着けよ。』

隆生は落ち着いていた。

僕はそれどころじゃないのに…


さて、ここからどうするかな…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ