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聖夜  作者: ityou
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長電話

突然、電話がかかってきた。

僕の携帯が鳴るのは珍しい。

ま、昔よりはうるさくなったけど。

「もしもし。」

『よ、健志。元気か?』

「中2病の相手で疲れた。」

『お、お疲れ…』

電話の相手は隆生。

そして、中2病は言わずと知れた畑中。

情報収集のために電話番号を教えた。

電話番号を教えた理由、それはLINEのためだ。

僕はまだ17歳だからID検索は使えない。

LINEは電話番号でアカウントを管理しているため、電話番号さえ分かればLINEのアカウントもわかるって寸法だ。

でも、畑中に教えたのは少し後悔した。

畑中が遭った事件のことはすぐに聞き出せた。

でも、それから『好きなキャラは?』とか『好きな声優は?』とか藤野さん並みの拷問に遭った…

お陰でヘトヘトになり、ベットに横たわっていたところに隆生からの電話が来た。

「一応、中2病からは話を聞けた。」

『詳しく。』

「ごめん、それは言わない約束なんだ。ただ、断片的に伝えるから隆生お得意の妄想で何とかして。」

『得意じゃねーよ!!』

「はいはい、じゃ、言うね。」

『うぃ。』

「ホテルに着く。先に風呂に入らされる。彼女が上がってくるとジュースを飲むように勧められる。飲むと気づけば朝になっている。こんな寸法。」

『典型的だな。』

「あぁ。」

『で、その彼女は?』

「検討つくだろ。」

『山田琴梨か。』

「正解。」

『てことは、お前も同じようにやられるかもな。』

「多分な。でも、写真だけで騙せるか?」

『それ、俺も思ってたわけよ。で、一番有力なのが信頼と女子の繋がりじゃないか?』

「詳しく。」

『山田と藤野は親友らしい。これは5組のやつから聞いた話。何をするにしても2人は一緒らしい。藤野は先生たちや色々なところに顔が広い。しかも、女友達も多い。これを踏まえると、山田が対象を脅すときに藤野の話を出すんじゃないかな?教育委員長とか警察がとか言えば大抵の男は黙って金を出すだろう。』

「おぉ!!隆生にしては上出来すぎる回答だ!!」

『殺すぞ?』

「ごめん、冗談だって。多分、その線が一番ありえるよ。」

『眠らせるってことは睡眠薬か。なら、鑑識の出番だな。』

「いや、警察沙汰にはしたくないし…」

『おいおい、公式な鑑識は無いけど俺だってある程度の分析はできるんだぞ?』

「あ、そっか。隆生のお父さんって警察の鑑識だったね。で、その影響で隆生も科学にめっちゃ強いんだね~」

『そそ、自宅には簡易的な検査器具あるし、睡眠薬程度なら調べられる。』

「よし、なら当日頼みます。」

『おっけ~。あと、昼休みに面白いもん見た。』

「何見たの?また女子生徒のパンツ?」

『ばーろー。俺が見たのは藤野が生徒会の佐藤さんと話をしているとこだよ。』

「嘘?珍しい組み合わせだ。」

『だろ?絶対訳ありだよ。』

「なるほど…なら、明日にでも聞いてみるか~」

『あれ、連絡先持ってない?』

「あーなかなか絡むことがなくてね…」

『そっか。じゃ、また明日。』

「色々サンキュー。」

『いえいえ。』

隆生が電話を切る。

ホント、頼りになる。


「佐藤さんいる??」

翌日、僕は4組に出向いた。

「はい?」

居た。

昼休みに行ったが教科書を読んで勉強していた。

「勉強中ごめん。ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」

僕は少し緊張して話しを続ける。

「え、いいよ。」

「えっと、昨日藤野さんと話した?」

「うん、いきなりでびっくりしちゃった~」

…可愛い。

「どんな話したの?」

「えー恥ずかしいなぁ…」

…ヤベェー

「お願い!!」

「しょうがないなぁ~なんか、親友とクリスマスに遊びに行くらしくて、どこか良いホテルが無いかを聞いてきたよ。」

「なるほど…ちなみに、どこを紹介したの?」

「えっと、市内の富士野ホテル。」

「富士野ねぇ…って富士野!?めっちゃ高いじゃん!!」

「そうなのよ…そんなところに高校生2人だけで泊まるのは不自然な気がしたのよね…ま、あまり気にしないわ。」

「ありがとう、色々と。」

「いえいえ、それより坂元くん。」

「はい?」

「気をつけて。」

「え?」

「気にしないで。」

超気になったが僕は隆生の元へと戻った。


「情報入った。どうやら富士野ホテルでやるみたい。」

「そっか~」

「隆生の準備は?」

「完璧。」

「でさ、騙されて証拠を集めた後はどうする?」

「俺の予想なんだけど、生徒会規約に緊急集会を開くことができるよね?」

「うん、前例は無いけど…」

「藤野ならやりかねない。緊急集会は先生も生徒も集まるし、健志に恥をかかせるなら一番の場所じゃん。」

「そっか…」

そうなると、フェイクでも恥ずかしい。

「ま、まずは証拠あつめからだ。」

「そうだね。」

そして、午後の授業が始まった。



放課後…

「じゃ、帰るか健志。」

「ごめん。先生に用事があるから先に帰ってて。」

「おっけー」

そして僕は生徒会顧問の橘木先生の元へ向かった。

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