初デート
久々に連載します。
大した文章じゃなく読みにくいとは思います…
すみませんm(__)m
街が明るい。
現在の時刻は午後8時。
いつもなら街には少し静寂の影が訪れているはず。
なのに、今日は違う。
理由は簡単だ。
今日はクリスマスイブなのだ。
いつものクリスマスイブなら僕は家にこもって特番を見て笑っている。
外は人が多く疲れるだけだと16年間思い続けてきた。
しかし、今年は違う。
現に僕は街の中央に植えられた大きな木の下にいる。
電飾された大きな木の下で。
もちろん、1人で。
今は1人である。
そう、クリスマスイブの夜に待ち合わせをしている。
人生で初めて手に入れた彼女を待っている。
僕自身、彼女はそこまで欲しいとは思わなかったが、彼女からの強烈なアプローチに負けた。
付き合いだしてから1ヶ月とちょっと。
彼女の方から今日のデートは誘われた。
僕にとっては女子と出かけること自体初めてだ。
もちろん親族となら何度となくあるけど…
とにかく僕は今すごく緊張している。
どこに行けばいい?
何をすればいい?
手をつないでいいのか?
キスは?
どこまでいいの?
ここ1週間はそんなことばかり考えていた。
お陰で生徒会長としての仕事も中途半端となっている。
「ふぅ、3学期はもっと気を引き締めよう…」
僕はそう呟きながらスマホのスリープを解除する。
デフォルトの壁紙が表示されたロック画面にある時計を確認する。
「8時3分…か。」
約束の時間は8時ちょうど。
生徒会長としては3分の遅刻も許しがたいが、女性なら仕方がない。
そういう生き物だとネットで見たことがある。
「ごめん、待った?」
後ろから声がする。
そこにはコート姿の女性…山田琴梨が立っていた。
その女性こそが僕の彼女である。
僕の通う学校の彼女にしたい女子ランキングで常に上位を争っている。
お陰で僕と付き合ってることが漏れた時、どれほど痛い目に会ったことか…
「いや、僕もいま来たとこ。」
定型文を口にする。
「ホントごめんね、健ちゃん。」
僕の名前は坂元健志。だから健ちゃんである。
「気にしないで、琴梨。男は待つのが仕事だから。」
カッコ良く言ってみた。
「全然カッコ良くないけどありがとう。」
悪戯な笑顔を見せる琴梨。
本当に可愛い。
「ねーねー健ちゃん。どこ行く?」
琴梨が聞いてくる。
「ごめん、ノープラン。」
恥ずかしい…
不甲斐無い男だ。
「だと思った。デート童貞くん。」
彼女が馬鹿にする。
「うぅ…」
言い返す言葉がない。
だって、本当のことだし。
「しょうがない、琴梨様が決めてあげよう。」
「ありがとう。」
すると琴梨はタブレットを取り出し、あるページを表示させ僕に見せてくれた。
「ここはどう?」
彼女が示した場所は1つ星レストランの入っているホテルだった。
「一応、予約済みなんだ。」
琴梨は笑顔で言う。
「用意周到だね。惚れ直しちゃうよ。」
僕はホッとした。
今日のデートが無事に終わる気がした。
しかし、僕は全部知ってる。
今後の成り行きも全部。
でも、知ってても知らないふりをするのだ。
さて、この先どうするか…
悩みます…




