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2-4

明らかに弱味を握られた圭人は、彰太の言う通りにせざるを得なかった。



やはり彰太はガキ大将だ。



家に着いて、台所の母親に話しかけた。



「お母さん、俺、友達ん家に泊まってくる」



「友達ん家? カッちゃんのとこ?」



カッちゃんは圭人の友達の一人だ。



家も近所である。



「ううん、リトルのメンバーの家」



母親は料理をする手が止まった。



「誰?」



「彰太。多分、お母さんは分かんないよ」



「家はどの辺なの?」



一瞬返答に詰まる。



分からない、と言えばこの交渉は即失敗に終わるだろう。



「あの、学校の向こう側の辺り」



適当な嘘を付く。



だがそこは同一の学区内、母親が知らない児童がいるはずがない。



「あの辺に彰太くんなんて子はいないでしょう」



「う……。ねえ、行っちゃだめ? 何も変なところに行くわけじゃないんだから」



圭人は涙目で訴える。



ばらされたらたまらない。



「そんなに仲が良い子なの?」



母親は味噌汁の味見をする。



「ちゃんと帰ってこれるの?」



「うん」



実質的に許可が下り、圭人の顔は明るくなる。



そして、できるだけ急いでグラウンドまで自転車を飛ばした。

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