表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

1章 第2話

桐生が何かを言おうとした瞬間、スタッフは早口で続けた。


「爆発は一回だけじゃない。

 “俺の目的通りに動け。次は、また次へと爆発していく。威力も倍、さらに倍へと上がっていく”って……」


喉を鳴らし、乾いた唾を飲み込む。


「最初は、ただの悪戯だと思って……適当に返事して切ったんです。

 でも、その直後に……」


言葉を切り、窓の外を見る。

黒煙はまだ消えていない。


桐生は低く息を吐いた。

これは事故ではない。宣言された事件だ。


「……電話の相手、他に何か言ってたか?」


「まだ、何も――」


その時、廊下の奥から足音が響いた。

走ってきたのは黒瀬だった。普段は感情を表に出さない男が、珍しく息を切らしている。


桐生の前で足を止め、スタッフに告げる。


「また電話だ。さっきの奴からだ」


桐生の視線が、黒瀬に向く。


「今度は、こう言ってきた」


黒瀬は淡々と復唱する。


「“次は通勤ラッシュの時間帯、横浜市内のどこかが爆発する。

 要求は一つ。GNNワールドレポートを普段通りに放送開始しろ”」


その場の空気が、凍りついた。


通勤ラッシュ。

横浜。

人が密集する都市。


“どこか”という言葉の曖昧さが、かえって現実味を増している。


桐生は窓の外を見つめたまま、呟いた。


「……何がしたいんだ」


その問いに答える者はいなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ