須藤理沙の陰謀
短い
† This is my lover of the MINI-CROISSANT †
By RISA
夕方になった。
東の空が紫色に染まり、夜の到来を仄めかす。
店先の人通りも落ち着いて、遠くの空では中古品の買い取り演説が披露されている。
……そろそろだろうか。
「キャンキャンキャン」
階上から聞こえてくる甲高い鳴き声が合図だ。
「あ……」
仕切りから顔を出したのは美紀だった。
私の姿を見つけ、キョロキョロと店内を物色する。
その下から見え隠れしているのは、チェリーの尻尾に違いない。
「あら美紀、どうしたのよそんなとこで?」
「なんでもない。それじゃあ行ってくるわ」
「今日は遅くなるの?」
「ん、昨日雨だったし」
――チリンチリン。
チェリーを連れて美紀が出ていく。
「……さてさて」
その姿を見届ける前に、私は工房へと移動した。
「ミケ、来なさい」
「うぃ~、もう少し~」
業務用パックを運びながら呻き声を上げるミケ。
5キロもある粉物物資を5つも重ねて運んでいた。……よし、合格。
「それは後でいいから、早く来なさい」
呼びつけて、事情を説明。
「……えぇぇ」
「寝言はいいから、早く」
「マジッすか」
「マジマジよ」
嫌そうな顔をするミケに道を教える。
「俺はどうなっても知りませんよ?」
「もしもの場合は責任を取りなさい」
「鬼か!」
「えっ?」
「行ってきます!」
……ちっ、身の危険を察知するのが早いな。
「まさか本当にやるとはね……」
ずっと横から様子を窺っていた旦那がそう溢した。
「これくらいで丁度いいのよ」
「……面白がってないかい?」
「あなただって気になるでしょ?」
「それは、まぁ……」
どうやら旦那も興味津々なようだ。
「うふふ、帰ってきた頃が見ものね。それともこっそり跡をつけてみる?」
「理沙さん、それはやめておこう」
『ちょっとしたお節介よ』




