胡散臭い医者が来た
前回のダイジェスト
主人公は病人!以上!
長めの茶色い髪を後ろでくくり、大きなまるメガネが特徴の女が来た。身長はやや低めで160ちょっとだろう。手には四角い学生カバンのようなものを持っている。面識がないのでおそらく村の外からやってきたのだろう。
「あーたが、リート・シルヴァニアだな(と指さす)」
「ちょっと、何なのよあんた!いきなり家に入ってきて!」
後ろからやってきた家政婦はそういった。どうやら、正式な来客…ではないようだな。
「うるさい!あんたは何もするなよ。下手な真似したらこいつを殺す。」
…はい?
…ぉぃおい待て待て!いきなり展開がハードすぎんだろ!
「まさか、あんたお坊ちゃんを人質に身代金を要求するでもいうのですか!」
家政婦の顔はみるみる青ざめていく、もうすでに戦意(?)は喪失しかけていたが
「いったんあんたは黙って寝とけ。睡眠魔法、フォウルナー」
すると、さっきまで喚いていた家政婦は完全に倒れこんで寝てしまった。
先ほどまでの騒ぎはどこへ行ったのやら、家はいつもの静寂につつまれた。
「まったく、のどかな村にこういう騒動は似合わないというのに…」
お 前 が 言 う な
100%お前が悪い。しかし、まったく悪びれる様子はなく、再びこちらを向いて
「あーたが、リート・シルヴァニアだろ!。さっきこいつに言ったら違うって言ってたしな!」
とどや顔で言うのである。ところでいったい何を誇りたいのでしょうか?
「私はロージア・メディカ(以下メディカ)。かつては『神の遣い』とも称されたあの医学の天才のロージア・イプスの昆孫(6代後)である!」
「ロージア・イプス⁉。それって、あれだよな。俺たちの平均寿命を10年延ばしたと呼ばれる医学の神であり、医者としても天才であった…」
「そう、それ。そーで、私もその血を受け継いで医者である。つまり、私は医者として病人のあんたを治療させに来た」
…
……
………うっっさんくせー!
イプスの子孫⁉ そもそも、イプスに子供がいるなんて聞いたことないぞ。それともあれか?薬とかの訪問販売か?…いや、それならもう少しましな嘘つくよな…
…後にこのいかにも怪しげな医者と共にリートは旅をすることになるとは、この時の彼は知る由もなかった。