1.救出作戦
こんなに早く主人公以外の視点から書くことになるとは…分からないことが多いと思いますが読んでくださると嬉しいです。
「くそ、遅かったか。」
周囲に広がる焼け焦げた地面、リーフの村があった場所を見て、俺、ガルダ=オルモンドはそう呟いた。
「まさか、ここまでひどいとは。どうします?支部長。」
そう聞いてきたのはリーン=アクリオ。ローズレッドという都市の冒険者ギルド支部の副支部長だ。ちなみに俺は支部長だ。
「おそらく火龍はもういない。生存者を捜すよう指示しろ。」
「了解しました。」
そう。俺たちは火龍がこの村を襲っていると聞いて駆けつけた。だが、既に村は壊滅状態、火龍も姿を消していた。
「ガルダさん、さすがにこの状況で生存者はいないと思う。」
「実際、見つかっている死体は判別ができないぐらい焼けている。」
「諦めた方がいいんじゃ…」
周りの冒険者はそんなことを言う。確かにこの現状を見るとそう思いたくもなるよな…
「分かった。あと一時間たって生存者が見つからなかったら捜索は打ちきりだ。この村は焼き払う。」
疫病を避けるためにも死体は焼かないといけない。この規模だと村ごと焼いた方が早い。それまでに生存者を見つけられればいいが。
「支部長、そろそろ一時間です。」
「フー、ここまでか。」
くそ、間に合わなかった。それとも始めから全滅だったのか?少しでも早く来れたなら…
一人の冒険者が息を切らしながら走ってきた。
「支部長ー!生存者が見つかりました。」
「なに!?どこだ、どこにいる。」
「あの瓦礫の下です。」
「手の空いている者は手伝え!助け出すぞ!」
まさか、この状況で生存者が見つかるなんて。俺は無我夢中で動いた。
そして、遂に瓦礫から救出することができた。
「支部長、どうですか?」
リーンや周りの冒険者が一斉に聞いてくる。
「大丈夫だ。息はある。」
「おおぉーー!!!」
「スゲー!奇跡だ!」
「良かった~!」
「誰かこの少年に回復魔法をかけてやってくれ。」
「私がやります。」
一人の冒険者が名乗りをあげた。
「良かったです。生存者がいて。」
リーンが笑いかけてくれた。
「ああ。本当にな。」
この時の俺は、まさかこの少年がローズレッドの危機を救ってくれるなんて夢にも思っていなかった。
なあ、レオ=グランド
いきなり新キャラ二人も出してしまいすいません。支部長のガルダはそれなりに重要キャラです。次話からは主人公視点に戻るのでよろしくお願いいたします。
(高評価をくださると嬉しいな)