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プロローグ

どうも、シハ ロックです。

いろいろな感想、ご指摘をくださると作者は感激の涙を流します。


 学校からの帰り道、俺は珍しく気分が上がっていた。

 今日は一学期の終業式があった。つまり、明日からは夏休み、何処に行こうかな、何をしようかなと考えるだけで心が踊る。

 とりあえず、たまったアニメを全部見ることに決めたとき、急に浮遊感に襲われた。状況を理解することができないまま俺の意識は闇に包まれた。







 声が聞こえる。


 意識が覚醒してきた俺は体を起こそうしたとき、


「あ、目が覚めたようですね。」


 という声が聞こえた。

 声がした方を見てみると、そこには男の俺が惚れそうなぐらいに超美形な青年と今にも泣きそうな超絶美少女がいた。


「ごめんなさい、本当にごめんなさい。」


 いきなり近づいてきてひたすら謝ってくる美少女を見て困惑していると、青年の方が助け船を出してくれた。


「アリス、落ち着いて。彼が困っているから。」

「ごめんな・・、そ、そうですね。一度落ち着きます。」

「よろしい。では、自己紹介をしようか。僕はルーデウス。地球でいう神様かな。魂の管理をしているよ。」

「わ、私はアリスです。私も神ですが階級としては下級神なので、上級神であるルーデウス様の部下として主に地球の管理をしています。」


 そっかー。アリスって名前なんだ。かわいいな~。っと現実逃避をしていると、


「白浪優也君、気づいていると思いますが、あなたは死んでしまいました。」


 あ、やっぱり。


「そうですか。もしかしてとは思っていましたけど、やっぱり俺死んじゃったんですね。ところで、なんで俺死んだんですか?真っ暗な穴に落ちたまでは覚えてるんですけど。」

「ごめんなさい。それは私のせいなんです。」


 小さな声でアリスさんはそう言った。


「世界を管理する私たち神々は、定期的に地上に降りて直接状態を確認するんです。私も降りようとしたのですが、力加減を、間違えてしまって空間に穴を開けてしまったのです。」

「そして、その穴に俺が落ちてしまったということですね。」

「はい。」


 なるほど、それであんなにもアリスさんは俺に謝っていたんだな。


「あなたが死んでしまったのは私のせいです。本当にごめんなさい。」

「部下のミスは上司のミス。僕からも謝らせてほしい。本当に済まなかった。」


 そして、二人は頭を下げた。


「あ、頭を上げてください。確かに死んだのはショックですけど、起こってしまったのは仕方ありませんよ。アリスさんも悪気があったわけではないんでしょう。」


 神様に頭を下げられて平気でいられるほど俺のメンタルは強くないので、すぐにそう返した。


「そう言ってもらえるとこちらとしても助かるよ。」


 ルーデウスはそう言って少しだけ笑みを見せた。そして、


「では、今後のことを話そうか。白浪優也君、君は異世界転生することに決まったよ。」


 唐突にこんなことを言ってきた。



「本来なら、死んだらそれで終わり。新しく生まれ変わることになるんだけど、君が死んだのは僕たちのせいだからね。お詫びに記憶を持ったまま転生させてあげようっていうことになったんだ。」


 まじかよ。


「ちょっと待ってください。生き返ることはできないんですか?」

「残年ながら無理だね。君には悪いけど、そんなことをしたら、地球のバランスが狂ってしまう。」

「そうですか。」


 まあ、死んだ人間が生き返ったら、いろいろ問題も起こるよな。


「だから、せめて記憶を持ったまま転生させてあげようってい話になったんだ。もちろん、君が嫌なら他の人と同じように生まれ変わることもできるよ。」


 記憶があったら、俺として生きることができるわけだしここは神様の好意に甘えようかな。


「そうそう。転生してもらう世界はいわゆる剣と魔法の世界だよ。魔物はいるしそれを統べる魔王もいるよ。」


 わーい。父さん、母さん。俺、ラノベ主人公になるよ。


「その世界では10歳になったら鑑定の儀をうけるんだ。一年に一回行われて自分の魔法適性とスキルが分かるから、その前日に記憶の封印が解けるようにしておくね。」

「封印って何ですか!」


 そんなことひとつも聞いてないぞ。


「だって記憶を持ったまま赤ちゃんからやり直すのは嫌だろう。」


 それはそうなんだけどさ。


「今までの話でわからないとこはあった?」

「いえ、特にありません。」

「それじゃあ、ほしい魔法適性とスキルを教えて。」

「え?」

「え?」

「そんなチートみたいなことしていいんですか?」

「いや、だってこれはお詫びだし。それに向こうの世界の人はスキルも魔法もたくさんの人が使えるよ。ちなみに、魔法は適性のあるものしか使えないから。」

「マジですか?」

「マジですよ。」


 これはしっかり考えないとダメだな。


「魔法適性って具体的に何があるんですか?」

「え~と。火水風土の基本四属性に光闇雷氷空間聖の上位六属性かな。君には魔法適性とスキルを合わせて四つ選んでもらうから。」

「光と聖の違いって何ですか?」

「あーそれはね。どっちも同じ光属性なんだけど、光は攻撃よりで聖は回復よりなんだ。」

「なるほど。スキルはどんなものがあるんですか?」

「スキルはね、数が、多すぎて僕も何があるかは覚えていないんだ。でも大抵のものはあると思うからほしいものがあったら言ってみて。」

「それじゃあ…成長限界がなくなるスキルってありますか?」

「へぇー。良いところに目をつけるじゃん。それなら成長限界突破っていうピッタリなものがあるよ。」

「じゃあそれで。あとは…自然回復力が上がるようなスキルはありますか?」

「自然回復力向上っていうスキルがあるよ。これは魔力と体力の回復量、回復速度があがって、状態異常も治り易くなるし、なりにくくもなる超有能なスキルだよ。」

「では、そのスキルでお願いします。この二つのスキルを使えば…」

「なるほど、そういうことね。いやー、すごいね君は。普通ならこんな発想できないよ。」

「ラノベを読むのが趣味だったんで、もしかしてと思って。」


 このスキルがあれば練習次第でいくらでも強くなれるぞ。


「残り2つはどうする?」

「あとは…氷と空間の適性をお願いします。」

「了解。君の成長が楽しみだね。じゃあ、アリス。」

「は、はい。」

「僕はもう行かないといけないからあとの説明をよろしく。」

「分かりました。」

「それじゃあ、優也君。新しい人生頑張ってね。」


 そう言ってルーデウスさんはフッとどこかに消えた。

「それでは優也さん、残りの説明をしますね。」


 アリスさんはそう言って笑った。

 か、かわいい。


「魔法適性ですがだいたい十人に一人ぐらいの確率で一つの適性を持っていますね。二属性持ちはだいたい千人に一人ぐらいの確率ですね。三属性以上は十年に一人の逸材と言われています。ちなみに、人類最高は五属性ですね。これはもう百年に一人の逸材です。」

「へぇー。それはすごいですね。」

「そして、スキル持ちですが。これは、一つ持っている人はそれなりにたくさんいるのですが、二つ以上持っている人はとても少ないです。ちなみに、三つ以上持っている人は千年に一人の逸材と言われています。」

「なら、両方とも二つずつ持っている俺はけっこう優秀なんですね。」

「ええ。確実に上位に入りますね。」


 良かった。無双はできなさそうだけど十分生きていけそうだ。


「そして、肝心の転生する世界についてなのですが、残年ながらこちらは説明できません。」


 アリスさんは困ったような顔をしてそう言った。


「え?できないんですか。」

「はい。私は転生させることはできますが、いつ、どこにという正確なことは指定できないんです。」

「そうなんですか。」

「すいません」

「いや、謝らなくていいですよ。その辺りのことは現地の人に聞きますから。」


 コミュ力は高い方だと自分では思ってるし。


「読み書きは記憶が戻った時点でできるようにしておきますから困ることはないと思います。他に分からないことはありますか?」

「うーん。特にないですね。いろいろ教えてくださりありがとうございました。」

「お役に立てて何よりです。」


 分からんことはおいおい勉強していこう。


「それでは、そろそろ転生の儀に移りましょうか。」


 そう言ってアリスさんは何かを唱えた。すると、俺の足元に魔方陣が浮かび上がった。


「私たち神は基本現世に干渉することができません。」


 アリスさんは悲しそうな顔をした。


「私のせいで死んでしまったあなたを魔物がいるような危険な世界に送らなければならないのはとても心苦しいです。」


 正直、女の子の相手は苦手だから、こういうとき、どんな言葉を掛ければいいか分からない。だけど、せめてその気持ちが少しでも小さくなるように…

「アリスさん、見ていてください。俺、頑張りますから。頑張って、そして、誰よりも楽しい人生を謳歌してやりますよ。誰もが羨ましいなって思うくらいに。」


 アリスさんの顔に笑顔が戻った。


「見ていてくださいよ。俺をこの世界に送って良かったって思わせてあげますから。」

「そうですね。君の勇姿を見させてもらいます。だから、頑張ってね。」

「はい!」


 いよいよ異世界だ。地球でできなかったこと、したかったこと、全部やってやる。


「それではいきますよ。」

「はい。行ってきます!」

「行ってらっしゃい!」


 アリスさんは笑顔で見送ってくれた。


 やっぱかわいいな~

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