社員オン・ザ・ビーチwith幽霊
某幽霊社員を書いたあとから、ポルノグラフィティの社員 on the beachが脳内をエンドレスリピートしていくので供養のため書きましたことを記載しておきます。南の島とビーチが待ってるぜ!
「この仕事が終わったら、夏の海に駆け出すんだ」
深夜に仕事する俺、さざなみがBGM。
「さざなみって確か、小豆をざわーってやって効果音だすんだよ」
「そうそ。小豆小僧かと思った」
俺、一人で残業してたのに、知らないうちに人が増えた。
一人はかつてフリー退魔師、現在、当社に雇われ退魔師。日中は普通に会社員してる。
一人は社長の親族、またの名を俺のストーカー。マジで何なんだ。何でもかんでも命の恩人で片付けるその精神どうなんだ。なお、女性である。
「そもそも夏の海にはいれるの?」
「地縛霊、移動は困難でしょうな」
「くっそ、ヒトのココロもない。
というかさっきまでいなかったよな?」
「夜ご飯食べてきました」
しれっと言う。いつの間に。
「なに食ってきてそんないい匂いさせてやがる」
「やきにく」
「月に一度の肉の日。食べ放題」
「コロス」
「焼肉弁当お土産で買ってきましたのでお供えしてますよ。熱いうちに、とかってあるの?」
「あるっつーの。」
蒸気を吸えば、美味しい気がする。食事は生気のようなものを吸っているので、咀嚼しないつまらなさはある。
「水辺嫌なんじゃない?」
「きらめく夏、水着、なんできゃあ、言った」
「そ、そんな、水着だなんて大胆な。
用意しますね。燃せば届く?」
…………。
俺は、水着は着るより鑑賞する方である。
「退魔師と言うからにはふんどしとかしてる?」
「セクハラで訴えるよ?」
「そうだそうだ」
「くっ、私には社長の親族という切り札が」
「しょぼい」
「ダサい」
「叔父さんしょぼくないもん。ダサくないもん」
はあ、やれやれと彼女をほっといて仕事を続ける。働く幽霊も暇ではない。
「そういえば、毎年、力作の精霊馬用意してたけど、使ってる?」
「あー、実家帰省してた。ただ、実家、兄貴の家でちょっとなぁって無視されるとか思って」
「幽霊だからなぁ」
「今年は、どうすっかな」
なんか、今、思えば青ざめた顔した甥がいたような気がしないでもない。
悪いことをした。今年は大人しく、会社で。
「……一週間くらいだれもいないんだっけ?」
「いませんよ。
あ、うちに来ます? それとお旅行? 二人旅!?」
「男二人旅もよくね? おっさん同士よくね?」
俺はなにかの危機を感じて、矛先を別の方に向けた。
「…………、間をとって、3人で行きましょうか」
そう提案した退魔師が一番大人であっただろう。
そうして出かけた先で、あんな事件が起こるとは思わなかったのである。
続きません。
孤島にバカンスと思ったら、船を沈められ、島から出られない!? 犯人候補は海坊主と船幽霊と人魚!?
どいつも船を沈めるので同じ海にいたら誰が犯人かわからない。争いではなく損害賠償請求を突きつける先を探し、怪異を探す一週間サバイバル。お盆休みが終わる前に帰宅しなきゃクビになっちゃう!




