表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
続きそうで続かない短編倉庫  作者: あかね


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

58/70

隠しボスの私、今作主人公が転生者っぽいので追跡の旅にでることにした。

 聖女、あるいは、魔女。

 そのどちらとも呼ばれる私は、自らの聖域を決め、ぶんどった。国の土地? 知らんよ。墓守は墓を守るものだ。

 この地は推しが死んだところ。

 我が聖地である。

 誰なんたって、私の土地だ。


 推し。この世界にはまだない概念をもつ私は、異世界転生者である。この世界と類似したゲームを熱愛し、推しの祭壇を作るくらいの信奉者であった。

 しかし、大変残念なことに我が推し、私が生まれたときには生存し、私が物心ついたころに死んだ。

 異世界転生、なぜした。というくらいに最悪のタイミングだ。そこからの惰性の人生は、町娘としてとても標準的。いつの間にかどこかに嫁に出さないとねと親に言われる年頃になっていた。

 運悪く、勤め先が火事になり、色々人生のどん底に至る前に、墓守の募集が来た。

 それも、推しの。

 嬉々として応募、採用、そこからのスローライフ。

 あの頃は平穏だったと遠い目をしたくなるが、今も、表面上は平穏ではある。


 まあ、色々あって、欲しいものをぶんどってこの聖地を占拠しているのである。祈りの日々は充実している。口うるさいツレはいるけど……。


 そんなある日、この地に侵入してきた者がいた。近隣では魔女の住処と恐れられ、実際、簡単に出入りできないようになっている平原を抜けて。


 そこから、ちょっとな、と思った。

 そのもの曰く、望みの物を手に入れてくると自信たっぷりだった。

 ふぅん? と私は呟く。


 そいつは回収済みだ。

 と伝えず、できるものならねと送り出した。


 それが、今作の主人公である。私の推しは前作の敵役だった。

 あれ、初期の装備だったなと思い出す。昔の記憶は遠いようで、覚えている。なんなら、自分の顔より見た主人公である。

 仲間もろくに集まってない初期段階に近い。その時点ではこのあたりの魔法を抜けることができず、迂回せねばならないはず。しかし、抜け穴があってそこを使えばいい、というのは二周目以降のお楽しみ要素のはず。

 偶然というには、出来過ぎているような気はした。

 それに、この住処に他に人がいることにぎょっとしていたようだった。もう一人いるというより、連れていかれたものがいるという話は城に行けば嫌でも聞ける話。


 城に行かず、直接ここに来た可能性はあるが、それは事前の知識が必要。

 うーんと少しだけ悩んで、出かけることにした。偽装は得意分野である。


 そして、私は二人と使い魔一匹とで国内旅行にでることにしたのだった。ほんとは一人旅したかった。一人と一匹が、おまえ、野放し、危険、とかいうから……。常識ない、相手が危険、とも言われた。

 私を何だと思ってんだと返したが、災厄、と言われたので一応黙ることにした。


 そして、私は知ることになる。

 なぜ、彼は道を違えたのか。かすかな希望そのものが、壊れてしまったのか。

 やはり私はとても遅かった。

あなたを見送るためのの微妙な続きです。

やはり、推しはミリも出てきません。肖像画も焼かれたので、物品さえ出てこないです。私作、うろ覚え似顔絵が推しの祭壇には飾られていますが、作画能力が欲しかったと涙でベッドを濡らす感じです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
読み返してきたんですが、同一世界を舞台にした連作で、推しが死んだのが三作目の時代で、この「私」と転生主人公がいる今作が四作目、でしたか。 これ、ひょっとして一作目の時代からそれぞれの主人公が転生者に代…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ