旅は道連れ世は情け、というが。
草魔法その後、旅に出た後のなんかです。
「拾った」
「捨てて来なさい」
真顔で言われた。
「元あった場所に戻してきなさい」
「えぇ、珍しいって主張しているけど」
「珍しいから戻してきなさい」
「へぅ」
「ちょっと黙ってねぇ」
「ほら、はりぼてで!」
「へぅ」
「同意しないの」
「だって、どこいっても舐め腐った態度取られるの腹立つ」
「そぉねぇ」
見た目、女二人旅はどこでも腫物扱いである。同行のドライアド、あらぁ、あたし? 女でもないわよというが、男でもないのでややこしいし。
そこで新規投入、マンドラゴラ(新種)?だ。呼ばれた気がして森の奥。なんか光るところ掘ったら出てきた美青年。なかなか、シュールである。
まっぱであったので、早急にマントだので隠したが……。そういう生殖なのか、擬態なのか……。
「役に立ちなさいよ」
「へぅぅ」
「まずは話し方。アレは異常だから話が通じるのであって、普通通じないから。共通語覚えましょ。大丈夫、あたしたち寝なくても平気」
「いや、寝なよ?」
「光合成してるから平気」
いやぁ、どうなのかな。マンドラゴラもビビる威圧。
「赤ちゃんなんだから優しく」
「え、成体よ。収穫よ」
「あ、そうなの。じゃ、びしばしよろしく」
「へぅ、へぅうっ」
「泣かないの。あの子、ああいう子だから。なんか連れてこられたのが運の尽き。
まあ、退屈はしない」
「それって、めんどうってことですかぁ」
「愉快ってことねぇ。山に植わって100年を超えるけど、こんな愉快な日々ってなかった。それにぴっちぴちだし」
「それはそれは」
楽しいってことでいいかな。なんだろ、やっぱりディスられているような……。
「とりあえずは服ね、服。あたしの着れるかしら」
試したらなんかすごい美女できた。
「あたしの才能が怖い」
素の顔がいいからね……。
はやく、町で別の服買おう。これで、ちょっとは旅も普通になると思ってたんだけど、思ってただけだった。
女二人旅で腫物対応と思っていたが、実は、顔面偏差値高すぎ、所作美しい、身なり良すぎのコンボを決め、お忍び旅行中のお嬢様と認定されているからである。美青年追加しても全く現状は変わらない。
常識人、苦労人枠の追加人員が求められるところである。良心枠もあいてるよ!




