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プロローグ
読んで。
この先に、魔王が居る。そう思うと、ある種の喜びのような感情に包まれた。
今まで、悲しい事、嬉しい事、様々な事があった。
それらを無駄にしないためにも、俺は魔王を倒さなければならない。
俺は覚悟を決めて扉の奥へと進んだ。
「.....ついにお前の元まで来たぞ。魔王!」
「フン、ここまで来た事を誉めてやろう。だが、果たしてこの私を倒すことができるかな?」
「当然倒せるさ。てめえなんか一発で蹴散らしてやる。」
「食らえ!!!ライトニング__
「はい、ストーップ。」
突然、俺の頭に激痛が走った。何が起こったのかわからない。これが魔王の能力なのか。
俺は咄嗟に後ろを振り向いた。すると、俺の後ろには、作業着を着た一人の男が立っていた。
「な、なんだ貴様は!勇者の手先か!」
「違う!こいつは俺も知らない!」
どうやら奴もこいつの事を知らないらしい。ならば___
「お前は誰だ!」
「え?俺?俺は強いて言うなら.....」
「時空のおっさん、かな。」