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プロローグ 『始まりの転移』
―――よし、上手く繋がった。
彼は自宅でゲームをしていた。自分が置かれている立場も知らずに。
―――おいおい・・・マジかよ。
彼は自分が置かれてる立場にようやく気付いた。
全てを失い、周りに責められ、生きている感触すらない。
―――はぁ・・・。今まで何もしてこなかったツケがここに回ってきたのか・・・。
意識が遠のく・・・。これ以上動けないってのか・・・。
せめて・・・あの娘だけは・・・助け・・・たかったの・・・に・・・。
『―――メ?どうしたの?』
だ・・・めだ・・・こっちへ・・・来る・・・な・・・。
どこからか聞き覚えの声がする。誰だろう。
『―――メ!大丈夫か!』
あぁ、そうか。こいつぁオレのダチだったな。
忘れてたよ。あまりに意識が遠のいてたせいでもあるのか。
それよりもなんでこいつがここにいるんだ。
それを考えてるうちに、彼は気を失った。