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~~~タイトル未定~~~  作者: サイト
始まりの物語
15/16

復帰時の疑問

ゴブリンロード(未確認)

体長3メートルほどの大柄なゴブリン

ゴブリンの集団を束ねる長的な存在でありその強さは他のゴブリンの追付いを許さないほどである

高い防御力と攻撃力は脅威であるが周りのゴブリンの多さも無視できる要因ではない

何も見えず何も感じない、そんな場所で思考だけが一人歩きする

そこにどれほどいたのかわからないが不意に自分の死の瞬間がフラッシュバックし恐怖に震える

頭から体を一刀両断されたため痛みが発するまもなく死ねたのは幸せか不幸か判断はつかない

だが少しの疑問が頭をよぎる

ゲームというのに死があまりにもリアルに体感できてしまうことだ

初のVRゲームだから普通がわからないがあそこまでリアルに迫られてはとてもまた戦闘を繰り広げられそうにはない

これではまるで…




思考しか働かない様な状況で考えが怖い方向に進み始めた時にその声は聞こえた


『まだゲームとして楽しんでいいのですよ』


今まで五感の何も働いていなかったくせにその暖かな声と誰かに頬を触られた感覚がした

その声になにかアクションを起こそうとしたがそれは突然開けた視界に断念せざるをえなかった










「ねぇちゃん随分復帰が遅かったな」


中世ヨーロッパ風の街並みと大量の人々が行き交う大通りをバックに2人の男女と話している見知った男が自分の顔を覗き込んできた

周辺のスペースと後ろから聞こえる水の音からここが噴水広場であることを悟る浬恵

さっきまでの静寂が嘘かの様なその状況に呆然としていると目の前にいた男になぜか手を伸ばしていた自分の手を取られ立たせて貰った

どうやら自分は死んだ時の格好のままこの広場に移されていたらしい


「葵は死んだ時変な場所にいった?」


「ねぇちゃんなに惚けてるんだ?普通にこの広場に飛ばされただろう?」


やっと言葉にできたその疑問は目の前の弟の心配そうな声に一刀両断さる

色々な人に聞けばそのうち同じ体験をした人に巡り合うかもしれないが少なくとも全員があの空間を体験することはないらしい


「それにしてもこのゲーム痛みが鈍いとはいえ剣が突き刺さると結構痛いです」


「そうなのか妹よ、我々はゴブリン共にHPを削り尽くされたタチなのでそこまで痛みはなかったのだよ」


「即死級の一撃は食らわない方が精神上いいかもしれませんね。ねぇちゃん未だに惚けてるし」


「そういうが先の方へ行けばそうも言ってられないことは出てくるであろうな」


「そうなりますと防具もちゃんとしたものを持っていないと辛いですね」


少しまとまりの悪かった思考がようやく戻り始め彼らの会話に意識をやっと持っていける

その会話の内容があのゴブリンロードのことでありその時を思い出してか少し体が震えた


「浬恵?早くいきますわよ」


そのことに自分はけっこう重症かもしれないと考えているとその声に現実に戻される

見れば男2人が話しながら大通りの方へ足を運んでおり自分が付いてきていないことに気づいた少女がこちらに振り返って声をかけてきていた


「あ、ごめん今行く」


あの光景に恐怖は覚えてしまうがこれはゲーム

そのうち慣れて問題なくなるだろうと自分を叱咤し少女の元まで駆け寄るとそのままさっきのことがなかったかの様におしゃべりに花を咲かせながら大通りの人ごみに消えていった

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