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~~~タイトル未定~~~  作者: サイト
始まりの物語
13/16

初めての…

「葵、またきたわよ」


「あれなら前衛三人は隔離できるからあとの頼んだ『バリア』」


丘を登り始めてから何度目の戦闘だろうか

現在彼らは丘の山頂手前でゴブリンの数の暴力にさらされていた


初めは戦闘もそこまでなく余裕を持って登れたのだが半分程登ってからは見回りゴブリンが混ざり始め、視認されるとこちらを攻撃し始めるようになった

さらに八分目あたりから武器だけでなく防具も付けたゴブリンが混じり始め一回の戦闘時間が延び、戦闘中に周りのゴブリンが集まって来るようになり前に進める状況ではなくなってしまったのだ

確かに無理をすればゴブリンより早く動けるので進めはするが彼らの狙いはゴブリンロードである

それとの戦闘中に後ろから来られては戦いにくくなってしまうため殲滅して進む必要があるのだ


葵が新たにこちらに向かってきるゴブリンの群のうち小数を半径2メートルほどの球体上の半透明な壁を作る技の中にあえて入れ込み隔離する。

実際は味方を中に入れ相手の攻撃から身を守る技になるのだが味方が出来るなら敵を入れて隔離できるのではないかという誰かが言った一言によりおかしな使い方をするようになったのだ

当然その閉鎖空間で敵の攻撃を捌ききれるだけの技量が必要になってくるが手の盾と足のレギンスとを巧みに操り敵の攻撃をやり過ごせる彼にその心配は不要であった

さらにうれしいことに狭い空間ということもありうまく敵の攻撃を流せれば相打ちを狙うことができ攻撃しなくともゴブリンを消耗させることができるのだ

そうして彼が時間を稼いでいるうちに残りのゴブリンを凛が後衛を狙い撃ち、戦闘中だった前衛のゴブリンを龍治が相手をし、浬恵が速さを生かしてその二人のサポートに回るという形になっている


「どれだけこいつら湧いてくるのよ」


「愚痴ったって数は減らないのだから足を動かしなさい」


「妹よ、まだ矢のストックは足りるかね『回転切り』」


「あと1束ポーチにありますけどこの調子だとジリ貧かしらね」


「これ一回戻って作戦練った方がよくないか」


「まだ葵君もピンピンしているのだから帰る必要はあるまい」


「さすがに精神的には疲れてくるんですけど」


「葵『回蹴り』そこは男の見せ所よ」


「ねぇちゃんそれなんか卑怯だぞ」


「ほらまた新手来たわよ『ホーリーアロー』」


「一応四匹まとめられるけどあいつらみんな防具付きじゃんか」


後衛を倒し切り葵が面倒を見ていた前衛をいまだ4匹と戦闘中だった龍治たちの元まで引き連れ戻り戦っていると今度は横から七匹ほどの群が迫って来ていた

当然殲滅を龍治たちに任せバリアで隔離し他を凛と浬恵に任せる戦法をとる

今はまだ回っているが徐々に魔力も減って来ているし、敵も倒す量より増援の方が少しずつ増え始めておりいつ崩壊するかはわからない


「凛ちゃんあぶない」


その時は突然来た

その後もそうして殲滅していた凛の元に丘の上からその身の丈ほどの剣が飛んできたのである

そのときちょうど後衛を倒し前衛をみんなで攻撃していたところであったため凛の周りに人はいなく後ろからの飛来もあり初動が遅れた凛が避けることも叶わずその背中に深々と剣が突き刺さった

一番に駆け寄ろうとした浬恵だがその身に触れる前に凛の体は光となりその剣を残して消えていった

凛の苦痛そうな表情とその光の儚さから戦闘中ということも忘れてその場にへたり込む


「ねぇちゃんこれゲームだから実際に死んだわけじゃないからな」


「え、あ、そ、そうだよね」


すかさず飛んできた弟の一言にそのことを思い出すが体はいうことを効かず立ち上がれそうにない

そのため視線だけをその剣の飛んできた方向へ向けるとそこには3メートルほどの巨体を持った青い色のゴブリンが立っていた

紫色のヘルムと鎧を身に付け赤いマントをなびかせるその堂々たる姿は今までのゴブリンと比べることがおこがましい

一瞬視線が交錯するとゆっくりとこちらに歩いてくる

弟が後ろで何やら叫んでいるような気がするがそのゴブリンから視線が外せそうにない

眼前にある剣を拾い上げる姿をそのまま茫然と眺めているとその剣が振りかぶられる

避けなければその重量から一撃で倒されてしまうことはわかるがそれでもいまだ体は動きそうにない

振り下ろされる剣を視界に入れながらこの体が動かない理由にうっすらあたりをつける




そう、それは死の恐怖




こうして彼女はその剣の一閃により光となって消えていった






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