戦力差を埋めろ
本日5回目の更新でした。
息を吸い込んで、ミニドラゴンブレス!
灼熱の炎とでもいうべき炎が僕の口から出て、オーク兵六匹を焼き尽くした。
森へ連行されたオーク兵二匹と、連行してきた四匹だ。
もともと二匹は毒で弱っていたし、残りの四匹も先に土針で足を突き刺してHPを削っておいた。
魔力が上がっているため、土針の威力も上がっている。
「ぐっ……ぐぉ……」
一匹がかろうじて生き残っていたようだが、すぐに力尽きた。
【経験値780取得。次レベルまで残り経験値6820】
合計3000以上の経験値を取得できたが、レベルは1つも上がらなかった。
レベル1上がるのに経験値1万必要とか、結構きついな。
でも、神も言っていた。ここからレベルが上がりにくくなると。
でも……これならどうだ!
という感じで、僕はオークの肉を食べた。
【スキル:“捕食”の効果により経験値7800取得。次レベルまで残り経験値0】
どうだ、捕食による経験値10倍の力は。これで実質経験値は14.3倍。一気にレベルが上がるだろう。
【ヴィンデのレベルが上がった。各種ステータスがアップした。スキルポイントを手に入れた】
レベルが上がったときは、次のレベルまでいくつ必要かわからないのか。
ならば、と、僕はさらにもう一匹の不味いオークを食べた。
【スキル:“捕食”の効果により経験値7800取得。次レベルまで残り経験値6200】
ぐっ、レベル3にあがるには約1万5000必要なのか。
結局、もう一匹のオークを食べてレベルをさらに上げ、6匹全て食べたときにはレベル4にまでなっていた。
合計5万ポイント以上の経験値を得てレベル3つしか上がらないとか、鬼か。
だが、悪いことばかりではなかった。
竜の魂のおかげか、ステータスの上げ幅が今まで以上に高く、スキルポイントもまた一度に3ポイント増えていた。
ステータス部分はこんな感じだ。
……………………………………
名前:ヴィンデ
種族:ベビードラゴン
レベル:4(+3)
HP 624/715(+91)
MP 555/617(+62)
状態:記憶喪失
スキルポイント 55(+9)
攻撃 359(+21)
防御 368(+19)
速度 493(+23)
魔力 354(+20)
幸運 32
経験値補正+30%
……………………………………
それでも、やはり弱い。
くそっ、考えるんだ。きっと何か良い手段があるはずだ。
敵の数は500体。
しかも、さっき見た感じだと、オークの種類は4種類。
オーク兵。オーク兵長。オーク隊長。オーク大将。
オーク隊長でもHPは500を超える。苦戦は必至だ。
「いや、まだだ。まだ強くなる手段は残っている」
夜中の3時。迷惑だろうが、お構いない!
僕はエルフの村に向かった。
※※※
「アイテムを買い取れですと?」
エルフの長老は夜中だと言うのにまだ起きていた。
「ああ。金銀財宝、それを金貨に換えてくれ。持ってるんだよな、人間の金」
「ええ、持っております。しかし、我々は金銀財宝などを必要としません」
「ヴィンデ、金銀財宝なんて持ってるの?」
フレーズの問いに、僕は頷く。
「これらを担保に貸してくれるだけでもいいんだ」
そう言って、僕はアトランティス大陸から持ち帰った財宝を外に出した。
「確かに、見事な装飾品です。ですが、やはり我々には……んんんんっ!? これは!?」
エルフ族長がとったのは、銀塊だった。
「こ……これは」
「銀が珍しいのか?」
「銀? あぁ、確かにこれこそ真の銀……ミスリルじゃ」
「ミスリル?」
ファンタジーゲームによくでてくるあれか。
この世界にもあったのか。
「ミスリル……そういえばエルフの女王が持ってる指輪がミスリル製だったわね」
「いかにも。どうじゃ、ヴィンデ殿。このミスリルをいただけるのなら、我々の持つ全ての金貨を貴方に進呈いたそう」
「いいのか?」
僕の問いに、エルフの長老は頷いた。長老の命令で、エルフが倉庫へと行く。
そして、彼らが持ってきたのは、金貨の詰まった袋だった。
「野菜などが不作の時に食糧を買うために持っていた金貨です。エルフの素材や、フレーズ様の妖精蜜は人間が高く買うので、金貨は必要以上に余ってしまいまして、金貨2000枚あります」
「2000枚……それは凄い」
日本円にして10億円以上か。
ミスリルってそんなに貴重な品なのか。
「でも、ヴィンデ、お金で何を買うの?」
「何も買わない。ただ――」
僕は金貨2000枚をアイテムBOXに入れた。
それだけでよかった。
【称号:金持ちを取得した】
【スキル:両替を取得した】
【称号:ミリオネアを取得した】
【スキル:貨幣貯金を取得した】
【称号:大金持ちを取得した】
【スキル:買い物を取得した】
金貨10枚で金持ち。金貨100枚でミリオネア。金貨1000枚で大金持ちか。
金貨100枚は銅貨100万枚だから、ミリオネアという理屈なのか?
称号3つ、スキル3つ、幸運以外のスタータスが6も増えた。
さらに幸運も9増えてる。
次だ。
「フレーズ、手伝ってくれ!」
「何をするの?」
「木の上から、これを投げてくれ。木の上のほうから」
僕はそう言って、木の実を取り出す。
「え? なんで?」
「頼む、時間が限られている」
「……うん、わかった」
フレーズはゆっくり飛びあがっていく。
そして、そこから木の実を投げてきた。
僕はその木の実を口で受け止める。
「ナイスキャッチだけど、何をしてるの?」
「いいから早く!」
「わ、わかった! 行くわよ!」
それから、フレーズは僕目掛けて木の実を落としてきた。
そして、10個連続木の実を口で受け止めた、その時だ。
【称号:キャッチ名人を取得した】
【スキル:猪突猛進のレベルが6に上がった】
これはリベルテが持っていた称号。
やはりこれで手に入ったか。
キャッチ名人の効果を見ると、動体視力が上がる称号らしい。
ちなみに、速度が500になったため、猪突猛進のレベルも上がった。
「フレーズ、次だ! 降りてきてくれ。ジャンケンのルールはわかるか?」
そもそも、ジャンケンがこの世界にあるかわからないけど。
「え、うん、わかるけど」
「僕はこれからずっとチョキを出す。フレーズはグーを出し続けてくれ」
「え? 何を言ってるの?」
「頼む。ジャンケン――」
それから10分かけてジャンケンを100回して、負け続けた結果。
【称号:敗北者を取得した】
【スキル:脱兎のレベルが4に上がった】
【称号:勝ち知らずを取得した】
これはフレーズが持っていたスキルだ。
速度と防御のボーナス付き。
でも、まだだ。
フレーズのステータスを確認する。
……………………………………
名前:フレーズ
種族:妖精種
レベル:3
HP 15/15
MP 24/24
状態:通常
スキルポイント4
攻撃 8
防御 23
速度 42
魔力 39
幸運 14
スキル:【妖精魔法:Lv6】【飛行:Lv3】【脱兎:Lv2】【強者の笑み:Lv1】
称号:【魔術師】【妖精蜜職人】【長寿】【敗北者】【逃亡者】【勝ち知らず】【小金持ち】【勝利者】【負け知らず】
……………………………………
やっぱりか。
「フレーズ、また頼む。ただし、今度は僕はパーを出すから」
幸い、ドラゴンはサラマンダーと違い5本指。パーが無効になることはない。
「ねぇ、ヴィンデ、本当になにやってるの?」
「これで強くなれるんだよ。ノーチェを助けるためだ」
「……わかったわ」
それから10分かけてジャンケンをつづけた。
そして、入手できた。
【称号:勝利者を取得した】
途中でこの称号を手に入れ、
【称号:負け知らずを取得した】
【スキル:強者の笑みを取得した】
勝利者は1対1の戦いにおいて100回勝ったらもらえる称号。攻撃力も5増える。
負け知らずは1対1の戦いで100連勝したらもらえる称号だ。強者の笑みのスキルを覚える。
そして強者の笑み。
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強者の笑み:Lv1 レア度:★★★★
レベルアップ条件:格下相手を一定数倒す。
効果説明:格下の相手に与えるダメージが増える。
攻撃力も僅かに増える。
入手条件:称号【負け知らず】取得。
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これは使えるスキルだ。
そういえば、他にもスキルを入手してたな。
使えそうにないスキルだったから放置していた。
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両替:Lv1 レア度:★
レベルアップ条件:スキル【暗算】のレベルを上げる。
効果説明:貨幣を両替する。両替できる上限金額はレベルによって代わる。
入手条件:称号【金持ち】取得。
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やっぱり使えないな。
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貨幣貯金:Lv1 レア度:★
レベルアップ条件:金貨100枚貯金する。
効果説明:貨幣を亜空間に収納する。1年に1度利息がつく。
入手条件:称号【ミリオネア】取得。
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アイテムBOXの下位互換……いや、利息があるなら、貨幣はこっちに入れたほうがいいか。
本当に使えないスキルばかりのようだ。
なら、最後の買い物も、買い物のときに値引きできるとかかな?
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買い物:Lv1 レア度:★★★
レベルアップ条件:銀貨1枚分買い物をする
効果説明:魔商人を召喚し、アイテムを購入する。
レベルにより、買える品物が変わる。
入手条件:称号【行商人】を取得等
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……ん?
なんか変なスキルを入手した。
今日はこれで終わりです。




