表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
93/171

オーク2匹との激闘

「あそこよ」

「あぁ、索敵で確認していた。フレーズは隠れてくれ」


 僕の指示に従い、フレーズが、「危ないと思ったら逃げてね」と言って逃げていく。


 オーク二匹。

 たき火で何かを焼いている。

 あれは……ベロウウルフか。


 かつて僕とノーチェが出会うきっかけとなった狼だ。


 凶暴な狼も、オークにとっては餌だったというわけか。

 森全体から他の鳥獣の気配がなくなっているのは、こいつらが暴れまわったせいかもしれない。


 武器は、一匹は斧を、一匹は棍棒を持っている。


 オークが炎で料理をするという光景に妙な感じがする。

 楽しそうにしやがって。


【オーク兵:HP201/201】

【オーク兵:HP199/199】


 二匹ともさっきのオークより強いな。

 だが、食事中なら、ちょうどいい。


 奴らは完全に油断しているからな。

 僕は尻尾を出し、スナイパーのように、毒針を狙い打った。

 麻痺攻撃を付加させて。


 針が刺さると、オーク兵は僕の存在にようやく気付いたようだ。

 一体が立ち上がろうとして、その場に倒れる。麻痺によって自由に動けないのだ。

 だがもう一体は麻痺が効かなかったのか、動けない仲間を放っておき、斧を持って僕に襲い掛かってきた。


 近くで見ると、錆びて手入れもろくにできていないぼろぼろの斧だ。

 だが、あんな斧で斬られたら病気になるのは間違いない。


落穴ピット!」


 走ってくるオークの前方に落とし穴を作る。

 落穴ピットはどこでも作れる代わりに、敵が立っている場所には使えない。使えたら万能魔法なんだけどな。


 でも、あんなに全力で走ってきてるのなら、落とし穴に落ちないわけがない。

 そう思ったのに、


「ぐうぉぉぉあっ!」


 声を上げて、走り幅跳び、穴を飛び越えようとしやがった。そして、その飛距離は7メートルを超えている……だが、


落穴ピットからの土針アースニードル!」


 着地地点に穴を作成、さらに底に針を作成。

 オークはなすすべもなく、穴の底へと落下。

 土針に突き刺さった。


 ただ、索敵からは気配は消えていない。ということはまだ生きているということか。

 動けなくなっているオークよりも先に、穴の底の敵をしとめるために動いた。


【オーク兵:HP91/199】


 ウソだろ、まだこんなにHPが残ってるのか。ん?


【オーク兵:HP90/199】


 毒が効いているようだ。

 よし――


「埋めよう。土壁アースウォール! 土壁アースウォール! 土壁アースウォール!」


 とりあえず、土壁で埋めていく。これで窒息死、もしくは毒が回って死亡するだろう。

 最悪、穴の中に土針アースニードルを量産させ、手品の剣突きBOX状態にしてもいいな。種も仕掛けもないけど。


「よし、あとは一匹――」


 振り返ろうとしたその時、僕の身体が大きく吹き飛んだ。


「がっ……もう動けるようになったのか」


【スキル:硬い鱗のレベルが2に上がった】


 かなり初期から持っているスキルレベルがようやく上がったのを確認しながら、僕は軟着陸を使って受け身を取った。


「ヒール!」


 HPを回復させ、息を大きく吸って、火の息を吹いて牽制する。

 火の息の欠点は、火の息を使いながらでは魔法を使えないことと息を吐き続けるため、長時間はできないこと。

 その間に作戦を考える。


 ここまで戦ってきた僕だが、一撃必殺のスキルは持ち合わせていない。

 でも、生き延びてきた知恵はある。


 僕は周囲を見渡し、手ごろな木を見つけると、するすると登って行った。

 吸着スキルのおかげで、とっかかりがなくても簡単に登っていける。


 火の息の攻撃がなくなったことで、オークが棍棒を持ったままこちらに走ってきた。

 そして、木に体当たりを始める。


 木を倒すつもりなんだろう。あいつの巨体ならそれも可能だ。


「毒針!」


 麻痺攻撃を付加させた毒針を放つ。

 HPが削られていくのを感じる。


 5本目の毒針を当てたが、麻痺になる様子はない。連続で麻痺になりにくいのか。

 麻痺がなくてもなんとかなるか。


 オークがいままでで一番距離をとって、最大の体当たりをしようとしてきた。


落穴ピット!」


 落とし穴ばかり使ったせいか、簡単に避けられた。しかも、跳んだ先に落とし穴を掘ったところ、棍棒を使って器用に穴を飛び越えた。


 そして、奴の渾身の体当たりがとうとう木を倒した。

 が、僕は咄嗟に木から飛び降り、


 体当たり!


 全力でオークめがけて跳んだ。

 オークはそれを打ち返そうと棍棒を振った。

 だが、僕はそこで変身を使い、その姿をブラックシャークへと変えた。


 思わぬ鮫の登場に打ち返すことを忘れたオーク。


 そして、僕はその巨体でオークを押しつぶす。よし、まだ生きてるな。

 即座に元の姿に戻り、


【オーク兵:HP12/201】


 相手のHPを確認すると、その心臓の位置目掛けて、土針アースニードルを使った。


【経験値793取得】


 よし、終わった。そう思った時だ。

 地面が割れた。


 そこからオークが飛び出してきた。

 荒い鼻息を出していらっしゃる。怒ってるか。


 オークは怒りのまま僕に襲い掛かってきた。


落穴ピット! 土針アースニードル!」


 我を忘れているためか、簡単に落とし穴に落ち、 


【経験値789取得】

【ヴィンデのレベルが上がった。各種ステータスがアップした。スキルポイントを手に入れた】


 ふぅ、やっぱり同レベルの敵相手だと経験値がうまいな。

 そして、僕はオークのまずい肉を食べて……レベルをさらに2つ上げ、


【ヴィンデのレベルが上がった。各種ステータスがアップした。スキルポイントを手に入れた】

【ヴィンデのレベルは最大です。これ以上経験値を取得できません】

【ヴィンデは進化条件を満たしています】


 とうとうここまできた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ